仏の留学生失踪で取り調べ実現も元交際相手チリ人男の自供頼みの現状

2019年04月20日 16時00分

 フランス東部ブザンソンで3年前、筑波大生の黒崎愛海さん(21=当時)が失踪した事件で、元交際相手のチリ人ニコラス・セペダ・コントレラス容疑者(28)のチリ国内での取り調べがやっと実現したが、同容疑者は黙秘しているという。

 2016年12月4日、黒崎さんは学生寮から姿を消し、現在も行方不明のままだ。フランス検察当局はセペダ容疑者を黒崎さん殺人容疑で国際指名手配していた。

 セペダ容疑者は黒崎さんの失踪の3日後、フランスを出国。チリに帰国していたが、チリ警察当局は「証拠が不十分」として身柄の拘束には応じておらず、フランスとは犯罪人の引き渡し協定がないため、捜査に進展はなかった。今回はフランス側がチリに検察官を派遣、チリ当局の立ち会いのもと、取り調べを行うことで合意した。

 17、18日にサンティアゴの検察庁に出頭したセペダ容疑者の取り調べが行われたが、同容疑者は黙秘。集まった報道陣にも無言だった。

 フランス側検事は取り調べを前に「容疑者が使用したレンタカーのGPS情報など証拠はある。1年以内に遺体は見つかるだろう。真実を知るまであきらめない」などと自信を見せていた。

 だが、フランスでの事件の捜査と黒崎さんの捜索は、失踪から約2年にわたって行われたものの成果はなく、昨年10月末で終了。物証がほとんどない状態で、逮捕や身柄の引き渡しの実現には難航も予想されている。

 日本の捜査関係者は「裕福な家庭で育ち、名門チリ大学で研究助手をしていたインテリ。フランスの捜査が迫っているのも当然分かっている。否認の仕方も十分準備しているだろう」とみる。

 2人は14年、日本の筑波大学で知り合い、交際をスタート。16年9月に黒崎さんがフランス留学する前に破局していたこともフランス当局は把握している。

 捜査関係者は「ストーカーとなって黒崎さんをフランスまで追いかけ、殺害したとみられているが、自供を引き出せるかにかかっている」と話している。