ノートルダム大聖堂火災「陰謀説」情報が拡散した2つの根拠

2019年04月17日 16時20分

ノートルダム大聖堂の内部(ロイター)

 世界遺産ノートルダム寺院大聖堂で15日に起きた大火災について、フランス消防当局は16日、完全に鎮火したと記者団に発表した。欧州メディアなどによると、フランス内務省高官は16日朝の記者会見で、出火原因は依然不明だと語った。

 16日付の大衆紙パリジャンは、改修工事の際の溶接作業から火が出たとみて検察当局が調べていると伝えた。

 その大火災について、欧米のSNSやネットメディアなどでは陰謀説が流れている。

 陰謀説は大まかに2つ。一つは大聖堂の修理をしていた作業員の中にテロリストがいたというもの。もう一つは、英国離脱で揺れるEUを引き締めるために、フランスが火事を仕組み、リーダーシップを発揮してマクロン仏大統領が支持率を回復するためにやらせたというもの。

 なぜ、世界遺産の焼失という悲劇的出来事に、荒唐無稽な陰謀説が渦巻いたのか。

 オカルト研究家の山口敏太郎氏は「フランスの象徴と言うべき世界遺産が火事になり、動揺した人々が陰謀説を作り上げてしまったのでしょう」と語る。
 過去には、大事件が発生した際、政府や権力者がやらせたという陰謀説が必ず出た。

「9・11の米国同時多発テロも、実はテロリストの動きを知っていてわざと事件を起こさせたという陰謀説があります。テロとの戦争を行う大義名分が欲しかったからだと言われています。もちろん、歴史的事実と確定したものではなく、あくまで都市伝説レベルの話です。ただ、この手の陰謀説は、政治不信から生まれるものです。今回、マクロンさんの政治に対する不満がこのような陰謀説を生んだのかもしれません」(山口氏)

 こんな陰謀説に振り回されてはいけない。

 山口氏は「あくまで今回の火災は事故ですので、今後、火災が起きないような防火態勢を全人類で考えるべきです」と指摘している。