就活女子学生を狙う危険なセクハラ手口

2019年03月28日 08時00分

 就活中の女子学生が、また性被害に遭ってしまった。大手商社「住友商事」元社員の男(24)が26日、就職活動の一環で訪ねてきた大学3年の女子学生を泥酔させ、宿泊先に侵入し性的暴行を加えたとして、準強制性交と窃盗などの疑いで警視庁に逮捕された。2月には別の有名企業の社員が同様なケースで強制わいせつ容疑で警視庁に逮捕(不起訴処分)されたばかり。OBという立場を悪用し、就活中の女子大生にセクハラを働く…。今回の事件は氷山の一角であることが就活中の女子大生らの証言で明らかになった。

 中央署によると、元社員は1日夜~2日未明、就職活動のためOB訪問に来た20代の女子大生を都内の居酒屋やカラオケ店に誘い、酒の一気飲みを強要して泥酔させた。その後、意識もうろうとなった状態の女子大生を宿泊先のホテルに送り届け、その際に部屋のカードキーを盗み、いったん立ち去り、このキーを使って1人で部屋に侵入し、性的暴行を加えた疑いが持たれている。

 元社員は入社1年目で、営業部門に所属していた。調べに対し「間違いありません」と容疑を認めている。女子大生とは知人を介して知り合ったとみられ、居酒屋では同僚男性も一緒だったが、暴行には関与していないという。

 慶応大法学部出身の元社員は、同大公認の空手サークルのホームページで「特技 タイツのデニール数当て 早食い大食い」「自己紹介どおり変な奴。口が悪いし最近は素行も良くない(笑)。お酒も大好き」と紹介されていた(サイトは後に削除)。

 住友商事は今月上旬に事態を把握し、元社員を6日付で懲戒解雇。同社は26日「この事態をたいへん重く受け止めており、被害にあわれた方に心からお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。就職活動中の学生の皆様、関係者の方々にたいへんなご不安、ご迷惑をおかけすることになり、重ねて深くお詫び申し上げます。このような事態が二度と起こらないよう、繰り返し社内徹底してまいります」とのコメントをホームページ上に掲載した。

 同社は事件を受け、就職活動中の大学生と会う場合、今後は飲酒を禁止する措置を取るという。

 OB訪問をした女子大生に社員がわいせつな行為をしたとされる事件では、2月に別の有名企業での逮捕者が出ている。

 20代の男性社員が、スマホ就活アプリで知り合った20代女子大生を自宅マンションに連れ込み、わいせつな行為をした疑いで逮捕された。女子大生を喫茶店に呼び出し、都内のマンションに誘い出したとされる。逮捕当時、容疑を一部否認。東京地検は15日、不起訴処分とした。

 就活中の女子大生は最近のセクハラの実態をこう明かす。

「OBからセクハラ行為を受けることはザラで、中には大手企業の男性社員の面接官が同じ大学出身であることをエントリーシートを見て知り、内定をもらえるように動く代わりに…といわんばかりに、1日に何回も電話をかけてきて、関係を持ちかけてくる人もいた」

 強制性交、強制わいせつは完全な犯罪だが、就活セクハラは昔からはびこっている。

「学生側も“OBなら変なことはしないだろう”と油断する傾向がある。OBでなくても、面接や採用担当者から食事や飲みに誘われることはよくある。みんなモテてると勘違いしてるけど、こっちは担当者じゃなきゃ絶対行かないのに。これからは、被害者の学生側が細かいセクハラも企業に言えるようにして、企業は“就活勘違いオヤジ”を責任を持って一掃してほしい」(20代会社員)

 事件は被害者の訴えで明るみに出たが、就職活動中の学生の弱みにつけこみ、性的欲求を満たすようなひきょうな手口には、企業側も目を光らせてほしいものだ。