金正男暗殺犯も!? ベトナム人リゾラバギャルに迫る闇

2019年03月14日 17時00分

連日大盛況の上海の出会いバー

【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏暗殺事件(2017年2月)で、舞台となったマレーシアの検察が11日、実行犯のインドネシア女性(27)の殺人罪での起訴を取り下げ、釈放。もう1人のベトナム人実行犯ドアン・ティ・フオン被告(30)についても、ベトナム政府がマレーシア政府に釈放を要請した。

 2人は北朝鮮の暗殺部隊にだまされ、テレビのいたずら番組の演出だと信じ、猛毒VXを仕込んだハンカチで正男氏の顔を覆い、殺したとされる。北朝鮮関係者とは首都クアラルンプールの“夜の世界”で知り合ったと現地では報じられた。

 フオン被告は事件前、カンボジアや韓国などアジア各国に出入りし、現地の歓楽街で働いていたとみられ、クアラルンプールでも同様に性風俗関連の店にいたのではと現地メディアが報じた。フオン被告は水着姿や巨乳強調カットを自身のフェイスブックに載せ(現在は削除)、ネットアイドル的な活動もしていた。

 アジアの風俗に詳しいライターによれば「容姿端麗なベトナム女性は風俗産業でも需要が高く、アジア各地に派遣されている。とりわけ中華系男性に人気で、シンガポールの置き屋やマカオのソープランドでは、ベトナムの子たちに“高値”がつけられている」という。

 そんな出稼ぎベトナムギャルが今、最も多いのが中国・上海だ。日本人観光客も目立つ繁華街、南京西路の裏手にある南陽路、深夜ともなると出会い希望の中国人とベトナム人が集まるバーは連日大盛況だ。そんな店のひとつ「マンハッタン」はドリンクを1杯注文すれば入店でき、中国人や欧米の現地駐在員でにぎわい、ベトナム女性100人超がたむろしている。

「大半はベトナム北部の農村出身で、顔やスタイルがどの子もモデル級で驚くよ。向こうから積極的に中国語で話し掛けてくるが、日本人と分かると英語に切り替えるなど、頭もいい。『マッサージしない?』と誘ってくるが、要は売春。相場は1時間1500元(約2万5000円)と高いが、地元の中間富裕層にどんどん連れ出されていく」と同ライター。

 ある女の子に話を聞いた。「ベトナム人はビザなしで中国に1か月いられるから、その間に稼ぐの。上海は物価が高いけど、いい稼ぎになるよ。1か月たったらベトナムに戻ってまた中国に来る子もいるし、別の国に行く子もいる。マカオとかマレーシアとか。みんな旅行気分よ」

 日本でも、離島や避暑地の水商売や風俗でシーズン中だけ働く“リゾラバギャル”がいるが、そのアジア版といったところだ。背後には、女性たちを手引きする組織があるとみられる。「フオンさんも、そうやってアジアの歓楽街をさまよってるうちに事件に巻き込まれたのでは。人ごとじゃないかも」と、上海のベトナム娘たちは噂していた。(室橋裕和)

☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「おとなの青春旅行」(講談社現代新書)