【妻殺害初公判】元敏腕編集者「うつで自殺」の言い分と家庭内事情

2019年02月20日 17時30分

 出版大手の講談社の青年コミック誌「モーニング」の元編集次長、朴鐘顕被告(43)が2016年8月、妻の佳菜子さん(38=当時)を絞殺したとして殺人罪に問われた裁判員裁判の初公判が19日、東京地裁で行われた。朴被告は「殺していない」と起訴内容を否認した。

 争点となるのは殺害現場と朴被告の関与だ。同年8月9日午前2時40分、朴被告から「帰宅したら妻が倒れている」との通報を受け、警察官が駆けつけると、朴被告は警察官に「階段から落ちて死亡したことにしてほしい」と語った。弁護側はこれを、一緒に住む4人の子供たちに「母親が自殺した」とは言えないと考え、出た言葉だったとした。

「妻には産後鬱(うつ)の兆候があり、育児や家事に悩んでいた。当日も刃物を持って『子供を殺して自分も死ぬ』などと言ったため、子供を避難させ、気付いたら階段の手すりにジャケットを巻き、首をつって動かなくなっていた。警察官に『階段から落ちたことにして』と話したことで疑いを招いた」(弁護側)

 一方、検察側は「被告は妻から家事や育児の不満、実母をけなす言葉を言われ、突発的に殺意が生じた」とし、殺害現場について「1階の寝室からは妻の尿が検出されている。寝室で首を圧迫して殺害し、階段から落下させ、転落死を装った」とした。

 朴被告は京都大法学部卒業後、1999年に講談社に入社し、人気漫画「GTO」「七つの大罪」などを担当した敏腕編集者。「進撃の巨人」の開始にも携わった。

「4人の子供のために育児休暇を取り、事件後の社内聴取にも『残された子供を守らなくてはいけないんです』と話していた」(関係者)

 講談社は朴被告が無罪を主張していることから、現在は休職中とし「公判の推移を見守りつつ、会社として慎重に対処する」としている。

 一方、逮捕後には「事件前、佳菜子さんが子ども家庭支援センターを訪れ、夫からのDV被害について相談していた」とも報じられていた。朴被告の無罪主張がすんなり認められるかは微妙だ。