今年で7回目となる「ブラック企業大賞2018」のノミネート企業9社が5日、発表された。長時間労働、セクハラ、パワハラなどが社会問題化している中、特に問題視されたのは――。

 不名誉な賞にノミネートされたのは、雇い止めで訴訟となった語学学校の「ジャパンビジネスラボ」。過労死が相次いだ「三菱電機」。長時間労働、パワハラで労災認定に加え、外国人技能実習生の不適切な扱いが発覚した「日立製作所・日立プラントサービス」だ。また、一部でクイズ形式で有給休暇を認める“有給チャンス”を行っていた「ジャパンビバレッジ東京」。裁量労働制の違法適用で労災事故が起きた「野村不動産」。壮絶なパワハラが蔓延していた「スルガ銀行」。工場勤務していた20歳の男性が長時間労働とパワハラで自殺に追い込まれた「ゴンチャロフ製菓」。サービス残業や休日出勤がまかり通っていた「モンテローザ」。

 さらに同賞は企業を対象にしているが、「(ブラック企業体質の)ひどさの好事例。特別にノミネートした」(実行委員会)というのが財務省だ。

 モリカケ問題で揺れていた4月に福田淳一事務次官(当時)がテレビ朝日の女性記者に「胸触っていい?」「手縛っていい?」などとセクハラ発言していたことが発覚。これに麻生太郎財務相が「セクハラ罪という罪はない」などの言動が追い打ちをかけ、セクハラ軽視と騒動になった。「女性活躍を標榜する政府の中枢機関で起きた事件に対し、その対応があまりにお粗末。その悪影響は計り知れないほど大きい」(同委員会)

 ネットでも投票を受け付け、大賞および各賞は23日に発表される。企業や法人以外での賞受賞は、2014年にセクハラやじ問題で特別賞を受賞した「東京都議会」以来となるが…。