拘置所生活ゴーンの耐久度 広さ3畳・基本的に暖房なし 年内はさびしく単独房暮らしか

2018年11月23日 17時00分

年内は拘置所暮らし濃厚なゴーン容疑者(ロイター)

 日産自動車は22日、横浜市の本社で取締役会を開き、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕された代表取締役会長カルロス・ゴーン容疑者(64)の会長職の解任を決議した。同時に逮捕されたグレゴリー・ケリー容疑者(62)の代表取締役職も解いた。西川広人社長(65)が暫定的に会長職を兼務し、不正を生んだ不透明な経営体制にメスを入れ、企業統治を強化する。超セレブ生活を送ってきたゴーン容疑者は拘置所での生活を続けることになるが、果たして耐えられるのか。また、弁護人には超意外な大物が付くことになった。

 ゴーン容疑者の逮捕に関して、日産が2002年以降、ブラジルに住む容疑者の姉とアドバイザー業務の契約を結び、毎年約10万ドル(現在のレートで約1130万円)の報酬を支払っていたことが22日、分かった。姉の業務に実態はなく、不正な経費支出だった可能性があり、東京地検特捜部は経緯を調べている。

 そのゴーン容疑者は19日に逮捕されてから東京・小菅の東京拘置所で取り調べを受けているとみられる。

 日本では証拠隠滅の恐れがある被疑者には接見禁止措置が取られ、面会が制限される。また、取り調べに弁護士の帯同が認められないまま、長期間拘束するため、“人質司法”ともやゆされる。仏紙のルポワンは「日本の司法システムはフランスの法律では考えられない。ゴーン氏をフランスに帰還させなくてはいけない」と訴えているほどだ。

 その環境は過酷だ。ゴーン容疑者は広さ3畳ほどの単独房に入っているとされる。畳の上で素足で過ごし、布団を敷く。外国人向けにベッドが入れられることもあるという。基本的に暖房が使われることもない。

 自らも東京拘置所で取り調べを受けたホリエモンこと堀江貴文・元ライブドア社長(46)は、ツイッターで「今の時期の東京拘置所は結構寒いからなあ。接見禁止もついてる異国の地で拘置所暮らしとか大変だろうな。カルロスゴーン。座布団でも差し入れてみるかな笑」と同情した。

 食事も大変だ。外国人犯罪者の増加に連れ、パン食を増やしたり、イスラム教徒には豚肉を出さないなどの配慮こそあるが、原則は日本人と同じ麦飯などが出される。

「自弁といって昼食時だけ自腹で弁当やパンを買うことができる」(警察関係者)とはいえ、焼き鳥好きの“日本通”といえども、さぞかし大変なカルチャーショックに直面しているに違いない。

 東京地裁はゴーン容疑者の勾留を11月30日まで認めているが、延長は確実で12月10日まで勾留され、起訴される見通し。特捜事案では、別件で再逮捕され、もう20日間の取り調べを受けるのが通例で、年内は拘置所暮らしが決定的だ。

 そのゴーン容疑者の弁護人を、元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士(63)が務めることが同日、分かった。特捜部長在任時には堀江氏のライブドア事件や村上ファンド事件、佐藤栄佐久・元福島県知事を起訴した談合・汚職事件などの捜査を指揮。2011年8月に辞職して弁護士に転身した。

 記憶に残っているのは05年4月、特捜部長就任時の記者会見での名ゼリフだ。

 大鶴氏はマスコミを前に「額に汗して働いている人々や、働こうにもリストラされて職を失っている人たち、法令を順守して経済活動を行っている企業などが出し抜かれ、不公正がまかり通る社会にしてはならないのです」と大演説を展開。

 これが世間の共感を呼び「ホリエモン=悪」という空気が出来上がった。堀江氏は06年1月に証券取引法(現在の金融商品取引法)違反(風説の流布など)容疑で逮捕、同2月に同法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で再逮捕された。

 ゴーン容疑者の弁護を因縁の大鶴氏が担当することに、当の堀江氏はツイッターで「マッチポンプ笑」とひと言。

「有価証券報告書の虚偽記載」で堀江氏を逮捕した人物が、今度は「有価証券報告書の虚偽記載」で逮捕されたゴーン容疑者の弁護をするとは、何の因果か…。

 大鶴氏を知る人物によると「特捜部のやり方を熟知しており、情報戦にたけている印象。まずは『ゴーン=悪』というイメージを覆すために、いまだ表に出てこないゴーン容疑者の近況を特定のメディアに流すかもしれない」という。

 検察側もまさかかつての上司が“敵”になるとは考えてもなかったはずだ。