大阪・寝屋川中1男女殺害の山田被告「土下座謝罪」の愚 死刑逃れのパフォーマンス!?

2018年11月02日 17時00分

 あからさまな“減刑作戦”にはだまされない!! 2015年8月、大阪・寝屋川市の中学1年平田奈津美さん(13=当時)と星野凌斗さん(12=同)が殺害された事件で、殺人罪に問われた山田浩二被告(48)の裁判員裁判(浅香竜太裁判長)の初公判が1日、大阪地裁で開かれた。同被告は法廷でいきなり土下座し涙で謝罪をしてみせ「殺すつもりはなかった」と殺意は否認。弁護側も精神障害により心神耗弱状態だったとして量刑の軽い傷害致死罪、保護責任者遺棄致死罪の適用を主張したが、専門家からは「そう簡単にはだまされない!」との声が上がった。

 起訴状によると、山田被告は15年8月13日ごろ、大阪府またはその周辺で、平田さんの首を圧迫するか、鼻や口に粘着テープを何重にも巻くなどして窒息死させ、星野さんも何らかの方法で首を圧迫し、窒息死させたとしている。

 刈り上げた頭髪、上下緑の服で入廷した山田被告は、裁判長から証言台に促されると、遺族がいるとみられるついたての方向を向き突然、土下座。泣きじゃくりながら主張を展開した。

「3年前から(遺族に)ずっと伝えたかった。本来なら目を見ながら(謝罪を)すべきだが、遮蔽されていてできない。声なら届くと思うので。経緯はどうであれ、死の結果を招きごめんなさい」

 裁判長の「やめなさい!」との注意も無視し、謝罪は続いた。

 その後も、ハンカチを顔に当て泣いていたが、起訴内容を問われると、態度が一変。右手で机上のマイクを握り締め「(2人を)殺すつもりはなかった。(平田さんについては)気付いたら手が首に触れていた」と殺意を否認した。

 これには傍聴した女性も「泣きながら土下座して謝罪したけど、その後にマイクを持って斜に構えて否認する姿が、ロックンローラー気取りみたいで本当に反省しているのか疑問。裁判員の印象を良くしたいだけなのでは」と山田被告の“パフォーマンス”に顔をしかめて疑問を呈した。

 裁判長からの注意を無視して自らの主張を唱える姿は、01年に大阪教育大付属池田小で無差別殺傷事件を起こし、8人の児童を殺害した宅間守元死刑囚(40=04年9月執行当時)を思い起こさせる。

 長年、刑事裁判を見てきたという傍聴人の男性は閉廷後「いろいろ考えた上でやっているのだろうが、宅間のように結果がどうなるかまで予測している感じは受けない。一方的に自分の主張を行うところなどは、最近だと淡路島5人殺害事件の平野達彦(一審死刑)、和歌山小5男児殺害事件の中村桜洲(同懲役16年)、門真市一家4人殺傷事件の小林裕真(同懲役30年)に似ている」と話した。

 弁護側は、平田さんを死なせたことは認める一方で、山田被告に殺意はなく、より量刑の軽い傷害致死罪の適用を主張。精神障害により心神耗弱状態だったとも訴えた。星野さんについては「何らかの体調不良で亡くなった」として保護責任者遺棄致死罪が相当だと述べた。

 謝罪しながらも殺人の罪は認めない姿勢に、元警視庁刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は「『土下座、大泣き、芸のうち』なんて川柳が作られるくらい、昔から裁判長をだまそうとする被告は多い。山田被告も、量刑を軽くするためなら何でもしよう、法律的には素人である裁判員をだましてやろうという性根の悪さが透けて見える」と指摘する。

 北芝氏は、山田被告が過去にも男子中高生を狙った監禁事件での逮捕歴があることに着目。

「おそらく余罪もあるが、全てはバレず、司法や捜査に対して『自分の方が上だ』と思ってたフシがある。それが今回、下手を打って捕獲された。ばかにしていた司法に負けて悔しいのだろう。そこで裁判員の情に訴えるパフォーマンスをして、自分の命を長らえようと思いついたのだろう」

 何とかして死刑を逃れようとする気持ちが、法廷での姿からはうかがえる。

 裁判員制度の導入により、裁判長もその意向を尊重する必要がある中で、裁判員に反省の色を示すことで、少しでも刑を軽くしようと狙っているようだが、北芝氏は「プロである裁判長の目はそんなに甘いものではないし、裁判員に選ばれる人も普通に社会生活を送っており、選ばれれば勉強もする。そう簡単にだまされることはない」とその手は通じないとみている。