署長が更迭された富田林逃走事件 樋田被告を発見できなかった職質先入観

2018年10月27日 17時00分

 大阪府警富田林署から無職樋田淳也被告(30)が逃走した事件で府警は26日、留置管理の不備により逃走を招いたとして、富田林署の山内寛署長(56)を減給10分の1(3か月)とするなど同署の計7人を懲戒処分にした。山内署長は29日付で警務部付とした。更迭とみられる。

 山内署長のほかに逃走当時の留置担当者2人を減給10分の1(6か月)、当直責任者ら4人を戒告とした。留置担当者の1人は、禁止されているスマートフォンを持ち込み、操作していた。また副署長ら同署の7人を本部長注意などにした。

 府警の広田耕一本部長は26日に「長期間にわたり多くのみなさまに多大なる不安と心配をおかけしたことを改めて深くおわびします。今後、このような事態が二度と起こらないよう再発防止策を徹底します」とのコメントを出した。

 逃走犯は職務質問から発見されるケースが多いが、樋田被告は「日本一周中」「日本縦断中!」などのプレートを掲げて盗んだ自転車でツーリストを装い、職務質問を免れていた。ツーリストが盗難自転車に乗っているとは思わないので、職務質問されない傾向にある。

 高知県警の警察官から職務質問されたことがあったが、「日本一周しています」と堂々と受け答えしたため、警察官は自転車の防犯登録番号の照会をしなかった。

 しかし、その職務質問で嫌~な思いをした人もいるはずだ。

 法曹関係者は「職務質問は、警察官の先入観で行うことがほとんどです。派手な服装、長髪、金髪というだけで、職質対象になりやすくなります。平日の昼間に私服で自転車に乗っている中年もとことん荷物検査されます。一方、カバンから法律書が出てきたら、法律家関係もしくは予備軍だから、という先入観で検査終了ということもありました。同じ人でも、服装や所持品で扱いが変わる。深夜に必ず職務質問される人が、議員のチラシのポスティングをしていたら、普段職務質問する警官に『ご苦労さまです』とねぎらわれて職務質問されなかった事例もあります」と語る。