捜査員も音を上げた座間殺害事件 裁判員辞退の懸念

2018年09月11日 17時45分

 昨年10月、神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件で、東京地検立川支部は10日、無職の白石隆浩容疑者(27)を強盗強制性交殺人や強盗殺人などで一括起訴した。

 起訴状などによると、白石被告はツイッターなどで自殺願望がある15~26歳の女性を誘い出し、自室アパートでロープで首を絞めて殺害。金銭を奪い、女性8人には性的暴行を働いた。男性1人を加えて、殺害した9人の遺体は損壊し、頭部をクーラーボックスに入れるなど猟奇的な犯行で社会に衝撃を与えた。

 地検立川支部は約5か月間、同被告の精神状態を調べる鑑定留置を実施し、完全責任能力があると判断。今後、争点を絞り込む公判前整理手続きを経て、裁判員裁判で審理される見通しだが、早くも裁判員の精神不安を心配する声が上がっている。

「9つの殺人事件を審理するわけだから、裁判は長期化が予想される。また殺害現場の写真が証拠提出されれば、裁判員は見なければならない。この事件の現場はあまりの凄惨さに捜査員も音を上げたほど。一般の人が耐えられるかどうか…」とは捜査関係者。

 過去には強盗殺人事件の公判で裁判員を務めた福島県郡山市の女性が、遺体写真を見るなどして急性ストレス障害になったとして国に損害賠償を求める訴訟を起こしたことがある。

 女性は刺殺死体のカラー写真や被害者がうめき声を上げて消防に助けを求める録音を聞き、体調不良に。訴えは最高裁で敗訴が確定したが、裁判員裁判の制度に一石を投じた。

「座間の事件は相当過酷なものになる。クーラーボックスの頭部写真などはイラストに替えられるだろうが、それでも裁判員の心的ストレスは計り知れない」(同)

 裁判員法では正当な理由なく裁判所に出頭しない場合、10万円以下の過料を科す定めがあるが、辞退者が続出する可能性もありそうだ。