また“矢ガモ”が…。東京都立井の頭恩賜公園(三鷹市、武蔵野市)の池で胴体にボーガンの矢が突き刺さった野生のカルガモが見つかった事件は5日、周辺住民から「犯人の狙いが人に変わると怖い」と不安の声が上がっている。
 
 4日午前11時40分ごろ、同公園の井の頭池に架かる弁天橋近くで、通行人が「矢のようなものが刺さったカモがいる」と公園内の施設に届け出た。駆けつけた三鷹署員と公園職員が網でカルガモを保護しようとしたが、飛び回ったために捕獲できなかった。
 
 目撃者は「矢はカルガモの背中からほぼ真下に刺さっていた。衰弱はしていなかった。早く保護して治療し、野生に返してほしい」と話した。同署はカモを保護した後、鳥獣保護法違反の疑いを視野に入れ詳しく調べる方針だ。
 
 同公園は1917年に日本で最初の郊外公園として開園。3年前から井の頭池の自然をよみがえらせる目的で定期的に「かいぼり」を行い、話題を集めた。その周辺は閑静な住宅街。同公園は24時間フルオープンとあって深夜も利用者がいる。
 
 近所の住民は「公園の入り口は20か所以上ある。矢が刺さったカルガモが目撃された井の頭池は吉祥寺方面。その入口には防犯カメラが設置されているが、公園の利用者が多いことで警察も不審者を特定するのは難しいのでは。動物虐待癖のガンマニアの犯行だと思う」と話した。
 
 また別の利用者は「公園を利用する外国人が多くなった。この夏、公園内の弁天橋を渡って家に帰る途中よく見たのは、酔っ払った東南アジア系外国人が口論したり、カルガモにお菓子のエサをあげていたり、中国人が深夜に大声でスマホで電話したりする場面。昔はこんなではなかった」と話していた。
 
 矢が刺さったカモといえば、1993年に東京・板橋区の石神井川で見つかった「矢ガモ事件」が思い出される。カモはその後、無事保護され矢を抜かれ元気になったが、犯人は捕まっていない。