大阪府警富田林署に勾留されていた樋田淳也容疑者(30)が8月12日に逃走してから、やがて3週間。30日には大阪市内で、事件に関連した捜査から死亡事故が起こってしまった。

 西区の路上で、府警港署のパトカーに追跡されていたバイクがバス停の支柱に衝突し、バイクを運転していた同市内の男子高校生(17)が頭などを強く打って死亡した。

 港署によると、30日午後8時25分ごろ、「樋田容疑者と目鼻立ちの似た黒いバイクに乗った男を見た」との通報が同署にあった。約1時間後、警察官が同区内で通報と似たバイクを発見。停止を求めると、バイクはUターンして逃走した。

 警察官が追跡すると、バイクは一方通行の道を逆走したり信号無視を繰り返した末、バス停の支柱に衝突。亡くなった男性は樋田容疑者とは別人の高校生で、バイクは盗難車、無免許運転だったという。同署は「追跡は適正。亡くなったことは残念」とコメントした。

 事故の目撃者は「パトカーの音がして『ガシャン!』と大きな音がした。見に行くと、口から血が出ていて、池のような血だまりができていた。バイクとヘルメットは10メートル以上先に飛んでいってて、見た瞬間に手の施しようがないと思った。警察も蘇生措置をとってるような感じはなかった」と振り返る。

“人違い”も起きた樋田容疑者の捜索は、3000人態勢にもかかわらず、発見に至っていない。防犯関係者は「異常な性癖や執着心を持っており、小さい子供や女性は気をつけて行動してほしい。大阪・近畿圏の人は特に危機意識を持っていただきたい」と注意を促す。

 大阪市内では多くの警察官が巡回しているが、そうした中で起きたパトカー追跡での事故。

「パッと見た瞬間、子供やなって思った。足も細いし、小柄な感じやったから『樋田に似てる』って言われるのも分かる気はした。樋田さえ逃げてなかったら、死ぬほどのことはなかったんかもしれへん」(前出目撃者)

 平穏を取り戻すためにも、一刻も早い樋田容疑者の逮捕が望まれる。