岐阜5人死亡病院の入院患者家族の苦悩「市内に療養型の病院少ないから…」

2018年08月31日 17時00分

藤掛第一病院から30日、転院した患者

 岐阜市の「Y&M 藤掛第一病院」で、エアコンが故障した病室に入院していた高齢の入院患者5人が相次いで死亡した問題は、刑事事件としての立件が注目されるが、入院患者の家族にも暗い影を落としている。

 熱中症での死亡が疑われる中、病院側は5人の死因を病死と判断していたことが30日、分かった。また、看護師が院内の温度や湿度を定期的に記録し、死亡した患者のカルテには体温の記載があったという。同病院からはこの日も男性患者1人が転院した。

 エアコンが故障した病室に父親が入院していた男性は「27日に来たとき、窓が全開で、こんな暑いのに熱風を入れてどうするんだ?と思った。父親はあせもができて苦しそうだったので病院側に伝えると、28日に2階に移動になった」と明かす。

 病院側から体調異変の連絡はなく「4年間、世話になったが、こういうことがあると心配だし、転院も頭の中にある。謝罪もない病院側には憤りを感じる」と語った。

 一方、母親が入院している男性は「2年くらい世話になってるし、部屋も移してもらえた。そこまでひどい病院だとは思わない」と逆の見解を示した。男性の母は藤掛病院が3軒目の入院先。

「それまでは入院しても2~3か月で転院しないといけないので、一年中(転院先を)探さないといけない。老人ホームも空いていない。ずっと診てくれる療養型の病院が岐阜市には少なく、症状にあった病院もなかなか見つからないから、こういう病院はあった方がいい」と苦悩を訴えた。

 エアコン故障と5人の死亡についてこの男性は「エアコンが壊れて叩かれてますけど、殺したのは誰だとか、矛先を間違えてると思う。療養型の病院を潰さずに運営していけるような流れになればいい。他の入院患者さんのご家族とも話しましたが、みんなそう思ってる」と指摘した。

 同病院の存廃に翻弄される家族がいるのもまた事実だ。