患者5人“熱中死”殺人容疑病院の悪評「業務上過失致死」から一転のなぜ

2018年08月30日 17時00分

病院に入る警察官

 殺人容疑がかけられた病院の評判と噂とは!? 岐阜市の「Y&M 藤掛第一病院」で、高齢の入院患者5人が相次いで死亡した問題が、事件として立件されそうだ。岐阜県警は当初「業務上過失致死」容疑を視野に捜査を進めたが、28日夜に行われた病院の家宅捜索令状の容疑は「殺人」だった。同病院については、付近に住む多くの住民が「決して評判のいい病院ではなかった」と口を揃える一方「以前はそこまで悪くなかったのに…」との声も。いったい何がこの病院を変えてしまったのか――。

 同病院の弁護士に就任した神谷慎一弁護士は29日夕方、藤掛陽生院長と面会し「大きな病院ですので、院長も全ては把握できていないと思う。捜査の対象にもなっており、今日のところはお話しするのは難しい。9月上旬までには、ある程度のことを調べて対応したい」と近日中に会見などの対応をとる意向を示した。

 藤掛院長の様子については「体調を崩して復帰したばかりのタイミングで、疲弊していた」と明かした。

 同病院では26日午後8時40分~27日午前11時35分にかけ、83~85歳の男女4人が相次いで死亡。病院側は因果関係を否定しているが、3階と4階の少なくとも10部屋のエアコンが20日に故障し、4人はエアコンの故障した部屋にいた。28日午後6時40分ごろにも、エアコンが故障していた3階の病室にいた男性患者(84)が死亡し、死者は5人となった。このため同病院は29日、エアコンが故障している3階と4階の病室にいた7人の患者全員をエアコンのある新館に移した。同日には男性の入院患者1人が同病院から転院した。

 5人の死因について病院側はいずれも病死と判断し、岐阜県警に通報していなかった。死亡診断書には熱中症との記載はなかったという。

 だが、同県警はエアコンの故障により患者が熱中症で死亡した疑いもあるとみて、業務上過失致死容疑を視野に捜査。28日夜には病院を家宅捜索したが、令状の容疑は「殺人」だった。

 近隣住民によると、同病院は70年以上の歴史があるが「地元の評判はあまり良くない。クーラーが壊れて業者がすぐに直せないなんて言い訳してるのを見てもわかるでしょ!?『老人医療を専門に丁寧な診療を目指す』とうたってるけど、本当に老人のことを思ってるなら、他のエアコン業者にも当たるでしょう」と不信感をにじませた。

 これだけの猛暑のなか、エアコンの効かない病室に病人を入院させたままにするなどあり得ない。直接の死因が熱中症でなくても酷暑が病気に悪影響を与えたことは明白だ。同病院を知る関係者は「もともと金儲け主義やで。国税局も入って新聞にも載ってた。前の院長もお金を持ってたし、駐車場とかもやっていた。他の病院じゃ診てもらえない人とか、身寄りのない老人ばかり集めてるという噂もあった。ここの病院で最期を迎える人は多い」と明かす。

 看護師による点滴中毒死事件が起きた横浜市の大口病院同様“終末期病院”の役割を果たしてきただけに、以前は「そんなに悪い評判は聞かなかった」との声もある。一体、いつからなぜ変わってしまったのか?

 藤掛院長の知人は「病院長はいい人なんですけど、奥さんがちょっとね…。奥さんの許しがないと何も動かないんですよ」と指摘する。藤掛院長はかなり前に最初の妻と死別。10年ほど前に再婚した夫人は財務部長を務めているという。

「(夫人は)人目を気にせず、従業員の前で大声を張り上げて『何やってんのよ?アンタら!!』なんて怒鳴ったりするから、ほとんどの従業員が嫌っとるんやないかな。院長は前妻との間に子供が3人おるんやけど、再婚してからは出入りもできなくなってる。以前いた事務長も結婚に反対したため、仕事をさせてもらえず辞めた。『えらい嫁さんが来た』って、よー言うてたわ」(同)

 再婚に反対したためにひどい“仕返し”を受けた人は他にもいたとも。

「あまり大きな声じゃ言えないけど、院長のお母さんは、再婚に反対したから部屋に閉じ込められてね。危なくなって病院に移したけど、看護師さんが『どこのホームレスが来たかと思った』くらいボロボロだった」(同)

 今回のエアコン故障についても「前の奥さんだったら、こんなことになってなかったよ」と前出知人。5人の死の真相は今後の捜査で明らかになるのか。