兵庫県加古川市の権現ダム湖で、大阪市淀川区の小西優香さん(20)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄の疑いで逮捕された森翔馬容疑者(20)と稲岡和彦容疑者(42)は容疑を否認しており、小西さんとの接点は相変わらず不明なままだ。

 そうした中、遺体が入った衣装ケースに重りとして取り付けられていた土のうや、ケースにくくりつけられていたロープなどが、事件発覚前に大阪市内のホームセンターで購入されたとみられることが20日、分かった。

 県警加古川署捜査本部は、容疑者が遺棄に必要な道具を運搬前に買い揃えたとみて、店舗の防犯カメラの解析を進めている。

 また小西さんは9日午前、大阪市内で森容疑者と一緒にいる姿が複数の防犯カメラに写っていた。その後、森容疑者のマンションに入る姿も写っていたが、出て行く姿は確認されず。11日にダム湖で遺体となって見つかった。稲岡容疑者は9日から10日にかけて、大阪市生野区の自宅近くでレンタカーを借りている。森容疑者のマンション前に停車したレンタカーが防犯カメラに写っていた。運転免許を持っていない森容疑者が稲岡容疑者に依頼し、遺体をダム湖まで運んだとみられ、捜査本部は役割分担についても調べている。

 事件発覚から10日がたち、容疑者2人が知人の間柄であることが明らかとなったが、小西さんとの関係性は謎に包まれたままだ。森容疑者は、大阪市内のガールズバーで店長をしていたが、その後については「ミナミでホストをやっていた」「キャバクラ嬢のスカウトをやっていた」といったさまざまな情報が飛び交う。同市内のキャバクラで働いていた小西さんが“ホスト”の森容疑者に入れ込んでいたのか、それとも、森容疑者が小西さんをスカウトしたのか。

 一方、稲岡容疑者を知る人物は「金に困っていたのは間違いない」と証言する。死体遺棄について稲岡容疑者は「森に頼まれてやった」と供述しているが、22歳年下の森容疑者に加担せざるを得ない弱みでもあったのか。

 2人は、県警に押収された携帯電話のロック解除も拒んでいるという。