卑劣犯罪続発中…デートレイプの危険な実態

2018年08月21日 08時30分

 出会い系サイトを通じて知り合った女性に、薬物を飲ませて性暴力を振るう卑劣極まりない事件が起こった。居酒屋で楽しく飲んでいたはずなのに、途中から記憶がなくなり、気づいたら男とホテルのベッドにいた…そんな犯罪を成立させてしまっているのが「デートレイプドラッグ」なる危険な薬だ。続発するデートレイプドラッグの恐怖の実態を追った。

 準強制性交等致傷容疑で先ごろ、愛知県警中署に再逮捕されたのは名古屋市の無職柳沢翔容疑者(28)。6月27日午後10時ごろ、同市中区の飲食店で女性(30)に睡眠薬を飲ませ、自宅マンションで性的暴行を加えた疑い。乱暴している最中に、女性の顔面を手のひらで殴りケガを負わせた。

 柳沢容疑者は「睡眠導入剤を飲ませて、私の自宅でレイプしたことは間違いありません。頬を平手で何度も叩いたことも間違いありません」と容疑を認めている。

 柳沢容疑者は別の女性(29)に対する同様の準強制性交等事件で7月2日に逮捕、後に起訴されていた。2つの事件に共通するのは、出会いが婚活サイトだったことと、被害者に「滋養強壮に良い」「酔い止めの薬」などと偽って睡眠薬を飲ませたことだ。

 余罪が複数あるとみられ、警察では顔写真を公開して情報提供を呼びかけている。

 被害女性は薬でもうろうとしながらも、覆いかぶさる相手に必死に抵抗した結果、平手打ちで頬をぶたれた。ここまで外道な柳沢容疑者は7月の逮捕当時、あろうことか結婚情報誌「ゼクシィ」ブランドの婚活アプリ「ゼクシィ縁結び」などを手掛ける「リクルートマーケティングパートナーズ」に勤務。「ゼクシィ」関連業務には携わっていなかったというが、当時婚活サービス提供側の人間が、婚活サイトで女性を食い物にしていた形となった。

 事件のもう一つの問題が、薬物を使用した事実だ。デートレイプドラッグと呼ばれる薬をひそかに女性に服用させて、意識がもうろうとなったところを暴行する事件が増加中だ。

 人間の意識を飛ばすほど効果が高いものは、精神科から処方される薬や、輸入代行業者を通して買う海外の薬だ。

 薬品に詳しい事情通は「強力な睡眠薬や安定剤、副作用として眠気を引き起こす薬がよく用いられる。『酔い止め』と偽って飲ませたり、味の濃いドリンクや食べ物に混ぜて知らぬ間に飲ませたりする」と話す。

 さっきまで居酒屋にいたのに、気づいたらホテルのベッドの上だった…というのはこれらのパターンだ。だが、意識を喪失させる薬だけが使われるわけではない。

「女性を興奮させる薬物も使用される。判断力や理性を低下させて、いつもより性感を上昇させる効果があるため、意思に反したままセックスを楽しんでしまう。『媚薬』のようなもの」(同)

 デートレイプドラッグを用いた犯罪は事件化されにくい。女性の中には、性行為を強制された記憶すらない人や、自分もセックスをしてしまったという後ろめたさがあるからだ。薬を盛られたことを証明するためには、体内の成分が残っている間に警察に相談するしかない。

 ドラッグストアで販売されている市販薬の中にも「“デートレイプドラッグの4番打者”と呼ばれている薬がいくつかある。入手は簡単」(同)という。身を守るには、目の前の男性が信頼できるか判断するしかない。

 精神科の看護師は「使われる薬は統合失調症やうつ病の患者向けのものもある。肝臓を悪くするなど、重大な副作用をもたらすことがある。デートレイプドラッグは意識を失わせるだけではなく、体に傷害を与えるものです」と警告した。