富田林署から逃走の樋田容疑者が描く「市橋プラン」あの著書がマニュアル?

2018年08月18日 17時00分

 大阪府警富田林署から勾留中の無職樋田淳也容疑者(30)が逃走した事件で、弁護士との接見を終える際、同容疑者が「自分で終了したと伝えるので、署員に言わなくていい」との趣旨の話をしていたことが17日、わかった。同署では接見に来た弁護士に、終了したら署員に声を掛けるよう依頼していた。短時間で逃走したとみられ、府警は、同容疑者が事前に計画していた可能性があるとみている。府警は3000人態勢で行方を追っているが、身柄確保には至らず、防犯カメラの映像を公開し、情報提供を求めている。一体、今どこにいるのか?

 弁護士は樋田容疑者との接見を12日午後7時32分から開始し、同8時ごろには終了した。同署は約1時間45分後に室内を確認するまで、接見終了に気づかず、同容疑者はその間に逃走したようだ。

 捜査関係者によれば、樋田容疑者は弁護士との接見を終えると「自分で終了したと伝えるので、署員に言わなくていい」と弁護士に話していたそう。警備が手薄の日曜日の夜間に、面会室で1人きりになれる時間を狙い、計画的に逃走したとみられる。

 樋田容疑者は逃走翌日の13日から、盗んだ赤い自転車やバイクで富田林市から府内を北上。周辺地域で、夜間に若い女性を狙ったひったくり事件を繰り返し、逃走資金を集めているとみられる。

 17日の午前から、捜査員は日雇い労働者の街として知られる西成区の「あいりん地区」にある簡易宿泊所などの部屋を1部屋ずつ調べた。同地区で約60年、商売を営む男性は「今朝、商店街にある16台の防犯カメラを捜査員が見に来た。2~3日前から私服警官は増えた。容疑者の写真付きの貼り紙を駅や街で貼っているみたいやけど、ここでは見ない」と言う。

 また「数年前には(千葉で英国人女性英会話講師を殺害して)逃亡していた市橋達也(受刑者)も約1年ほど、ここで日雇いをしながら生活してたし、犯罪者もこの地区には流れてくる。宿屋なんかは、彼らを相手にやっているというのもあって、捜査員が来ても、なかなかすんなりはしゃべらへんよね。なんせ、市橋については、逮捕されてから『そういや、いたなー』としゃべるヤツがいる町だ」(同)と同地区の特殊な事情を明かした。

 もし、樋田容疑者が事前に逃走計画を練って、決行日を決めて実行したのだとしたら、逃亡生活を送るうえで参考にした何かがあるはず。

 元警視庁刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は「容疑者には、市橋受刑者が逃亡生活で西成にいたという知識がある。警察の捜査の第3波が去ったくらいに、西成へ行くことも考えられる」と言う。

 市橋受刑者が2年7か月の逃亡生活を著した本が“マニュアル”となっているようだ。

 現在の居場所については「逃走中の宿は大通りから少し入った場所にある空き家にいるのでは。大阪エリアにはまだいるはず。人が多く、捜査の目をかく乱させるように、より大都会の東京を目指している」と語った。

 逃走するならば、なるべく目立ってはいけない。なぜ、ひったくりを繰り返しているのか。

 北芝氏は「仲間に連絡を取ると警察に居場所がバレるので、ひったくりでカネを集め、いくばくかカネは集まっているだろう」と言う。

 それが今後の宿代、東京への逃走資金、もしくは市橋受刑者ばりの整形代になるのだろう。樋田容疑者は身長163センチと小柄。逃走時の服装は、黒のジャージーと灰色のスエット姿。左ふくらはぎには小槌を持ったウサギの入れ墨がある。

「服はコインランドリーでいくらでも盗めるし、スニーカーは署から拝借している。シュッとした輪郭はマスクやメガネで、入れ墨は長ズボンで隠すことは可能でしょう」と分析した。

 当初公開された気弱そうな細面の顔写真と、17日に公開されたふてぶてしい顔でがっちりした体の動画を比べるとかなり印象が違う。髪を切り、メガネを掛けたら、ますますわからないだろう。

 また、樋田容疑者について大阪府民を恐怖に陥れているのは“レイプ魔”だからだ。同容疑者は、これまで何度も窃盗や強制性交で逮捕されたことのある凶悪犯。その犯行の手口は、10~20代の若い女性をターゲットにしたものだった。

 北芝氏は「逃走するのに必死なので、今はまだ色事には気が向かないでしょう。でも落ち着いたら、そのうちやりかねない」と警鐘を鳴らした。