【代々木】戦慄「居酒屋立てこもり事件」の一部始終

2018年06月26日 17時30分

事件が発生した雑居ビルの周囲を規制する警察官

 突然の猛暑のせいか? 白昼の都心で起きた「居酒屋立てこもり事件」の“恐怖の2時間”を完全リポート!! 東京・渋谷区のJR代々木駅前の雑居ビルに入る居酒屋で25日昼、30代とみられる男が立てこもる事件が起きた。入れ墨だらけの上半身を見せつけ、店内から警官に向け“ロケット花火”を発射し、酒瓶を投げつけるなどの威嚇行為で、大勢のやじ馬が集まり、周囲は騒然。事件発生から逮捕までの一部始終を目撃者に聞いた。

 25日午後2時40分ごろ、JR代々木駅前の交差点に立つ雑居ビルに入る居酒屋から男の声で「無銭飲食をしたので捕まえに来い」と通報があった。警察の誘導で店長と従業員計4人は逃げ出して無事だったが、スキンヘッドに上半身裸で入れ墨姿の男は店内で「殺してやる」などと言い、刃物を持ち、破壊した2階の店の窓から眼下の路上へビールサーバーや椅子、酒瓶を投げつけた。

 さらにロケット花火のようなものも発射する暴挙を続けた。付近の路上は通行が規制され、やじ馬が詰めかけ、蜂の巣をつつく騒ぎとなった。

 午後5時には警視庁捜査1課の特殊捜査班(SIT)が突入し、公務執行妨害の疑いで男を現行犯逮捕した。軽傷の男は30代ぐらいだが、氏名や住所は不詳。酩酊状態でこの日は取り調べもできなかった。

 駅前で70年前から営業する飲食店関係者は「あのビルは数年前に飛び降りがあったけど、こんな立てこもりは初めて。夜の営業が始まる前に解決してよかった。32度の真夏日だし、暑さで頭がおかしくなったのでは」と驚きながらも胸をなでおろした。

 向かいのビル3階に入る「株式会社マスターマインド」運営のまつ毛サロンで働く女性スタッフ(32)は恐怖の2時間をこう語る。

「3時すぎごろ、パンパンパンという音がして窓の外を見たら、上半身裸の男がロケット花火を外に撃っているところで、下の警察(官)に向けて当てようとしていた。車も人も通っていたけど、すぐに規制が張られた。訳のわからないことをわめいてて、私とお客さんのいるサロンに花火を撃ち込むかもしれないから怖くて窓を閉めました」

 男はロケット花火を発射したほか、店にあった酒瓶を次々と警官に投げ続けた。

「お酒を瓶のまま飲んで、酔っぱらっているようだった。悪魔のようにニヤリと笑って、警察を挑発していた。花火や焼酎の瓶は警察が持っている盾に当たっていた」(前同)

 酔っぱらっているのか、ドラッグを摂取していたのか、投げようとした瓶が窓ガラスに当たり、店内に跳ね返る“誤爆”もあった。

「右手の指から血が流れていた。窓か瓶のガラスで切ったんだと思う。その血だらけの手を見せつけて、威嚇しているようだった。お客さんも外に出るに出られる状況じゃなくなった」(前同)

 事件解決後、路上の交通規制は午後7時半には解除となり、ケガ人がいなかったことは幸いだった。また、居酒屋の店名が偶然にも「花火の宴」だったこともあり、花火を使った凶行はネット上でも大きなトレンドワードとなった。

 一方、現場の居酒屋の上階にあるエステ店から出てきた女性客(23)が胸中を明かした。

 女性は午後3~4時の痩身コースを予約。施術が始まって怒鳴り声や瓶が割れる音が聞こえてきたという。当時は他に2人の客がいたが、従業員らは「酔っぱらってる人が窓から物を投げてるみたいです」と対応。客を動揺させないため、プロとして安心させたようだ。事件の一部はテレビで全国的に中継されたが、その最中に同じビルで女性客は平然と真っ裸でエステを受けていたのだ。

「だから私、隣のビルで何かあったのかなあ?としか思ってませんでした。すべて終わってから事件のことを知りました」

 女性は「最近の大阪地震のときは京都にいて初めて震度5を経験したし、3年前の新幹線焼身自殺テロのときは事件のあった東海道新幹線の30分前の便に乗っていた。今回は裸で立てこもり事件のビルにいて…。帰って早く主人に報告したい」と語り、その場を後にした。