集団痴漢便乗男の公判で見えた「俺もやろう」の精神病理 今も親や妻と電車で通院中

2018年06月21日 17時00分

 電車で痴漢したとして強制わいせつ罪に問われた埼玉県の無職の男の被告(34)の裁判が20日、東京地裁であった。起訴状によると、4月9日午後7時すぎ、JR埼京線池袋~板橋駅間で女性客の右胸と左胸を服の上からもみ、スカートをめくって陰部に指を挿入したとされる。被告は全面的に起訴内容を認めた。

 事件によって勤めていたIT企業をクビになった被告だが、5年前にも電車で痴漢した前歴がある(起訴猶予処分)。それ以来、電車利用時は当時交際中だった妻に「乗るよ」「降りるよ」とメールを送信した。それでもやってしまったのは、仕事の出向先の変更によって、埼京線を利用することになったからだという。

 同路線の先頭車両で痴漢が多発することを知っていた被告は、新宿駅から乗り込んだ車内で7~8人に集団痴漢されて震えている女性を発見。

「痴漢されてると思って、あわよくば(自分も)痴漢したいと思った」(被告)

 池袋駅に着くまでに満員の乗客をかきわけ、女性の真隣のポジションを確保。「下着の中に右の人さし指と中指を付け根まで入れて数十秒、上下に動かした」(被告)

 事件日が出向先変更の初日だった。助けるわけではなく、率先して痴漢に加わる心理は異常。陰部をいじくり回して女性が震えていたのを「当時は喜んでいると勘違いしていた」と語る。

 保釈後は医師から注意欠陥多動性障害(ADHD)と性依存症と診断され、今も通院中。親や妻と電車に乗って通院している。痴漢の衝動・欲望は今も残る。ドーパミンを薬物で抑制し「痴漢の衝動にかられたときに、結婚指輪を触ることにした」と対策を明かした。

 被害者との間で150万円の支払いによる示談がすでに成立。求刑は懲役1年だが、執行猶予がつく見込みだ。昨年入籍した妻は離婚もせずに、情状証人として出廷し、被害女性に謝罪した。