【看護師殺害】主犯格「自殺」で真相は闇に?

2018年06月21日 07時15分

 やはり初動捜査ミスか――。静岡県藤枝市の山中で浜松市の看護師・内山茉由子さん(29)の遺体が見つかった事件で、浜松東署の捜査本部は19日、逮捕監禁の疑いで逮捕状を取って行方を追っていた住所、職業不詳の芥川豊史容疑者(39)の遺体が新潟市内のホテルで発見されたと発表した。自殺とみられる。なぜ、内山さんが…。“主犯格”と目された同容疑者が死亡したことで、真相は闇に埋もれてしまいそうだ。

 新潟県出身の芥川容疑者は、インターネットの掲示板サイトを通じて知り合った名古屋市の鈴木充容疑者(42)、住所不定伊藤基樹容疑者(28)と共謀し、5月26日に浜松市内の駐車場で内山さんの車に乗り込み、監禁した疑いが持たれていた。内山さんはその後、山中で変わり果てた姿で発見された。

 鈴木、伊藤両容疑者は既に逮捕されている。3人に面識はなく、犯行を主導したのは芥川容疑者とみられていたが、自死したことで真相は闇の中にまぎれかねない。捜査関係者によると、同容疑者が共犯2人に「カネになる話がある」と持ちかけ、1人当たり50万円の報酬を約束していたという情報もある。

「ただ共犯2人は実際には金をもらわず、怖くなり途中で計画から降りたようだ。内山さんを殺害した実行犯は芥川容疑者1人とみられる」(捜査関係者)

 3人は内山さんを拉致直前にJR浜松駅で合流していた。鈴木、伊藤両容疑者が内山さんを本人の乗用車に押し込めて発進後、芥川容疑者が車に乗り込んでいたことも20日、新たに分かった。浜松東署捜査本部は、芥川容疑者が近くで連れ去りを2人に指示していた可能性があるとみて調べている。

 3人は共謀して5月26日午後6時ごろ、浜松市中区のフィットネスクラブの駐車場で、内山さんの乗用車に内山さんを押し込めて発進し監禁した疑いが持たれている。

 重要被疑者が死亡してしまったこの事件では、静岡県警の初動捜査ミスも指摘される。

 検視の結果、芥川容疑者が死亡したのは14日夜とみられる。鈴木、伊藤容疑者逮捕の一報が流れてから2日後だった。

「共犯2人が逮捕されたのを知って、芥川容疑者が自殺を図った可能性が高い」とは地元関係者。

 新潟市内のビジネスホテルで遺体が発見されたのは15日。近くに遺書があった。遺体が芥川容疑者だと把握したのは18日のことで、その間の16日に静岡県警は同容疑者の逮捕状を取り、全国指名手配。関係先に情報提供を呼びかけていた。

 つまり、既にこの世にいない容疑者を指名手配していたというわけだ。

「マヌケに見えてしまいますよね。静岡県警は『早い段階から芥川容疑者をマークしていた』と強がっているが、行方はつかみ切れていなかったことになる。結果論だが、同容疑者を刺激しないように共犯2人の逮捕を公表しなくてもよかった」(同)

 事件の鍵を握る芥川容疑者の携帯電話も現時点で押収されたという情報は入っていない。なぜ内山さんが狙われたのか? 全容解明にはまだ時間がかかりそうだ。