国立精神・神経医療研究センターの全国調査(隔年実施)で、大麻の使用経験がある人の割合が1・4%で、15~64歳の人口に換算すると推計133万1765人に上ることが分かった。これは、シンナーなどの使用を初めて上回り、乱用薬物では最多となった。同調査によれば、シンナーや危険ドラッグの使用が減少する中、大麻は前回調査から約38万人増加。大麻の使用を「少しなら構わない」「個人の自由」と回答した10~30代は2・3~5%で、40~60代を上回り、大麻使用を容認する考えが若者に広がっている。

 警察による昨年1年間の大麻事件の摘発者数は、2013年から倍増し3008人となり過去最多を更新。人口10万人あたりの摘発者数は13年と比べて14~19歳が5倍、20代や30代でも2倍となった。大麻の初経験は20代が最多で、使用動機は「好奇心・興味本位」との回答が多い。

 一部の若者の間では大麻が“イベント”で使われている。

 あるイベント関係者は「屋外の音楽フェスでは、数年前から林の中で大麻をやる若者がいた。様子がおかしかったので目立っていた」と明かす。都内のクラブでは、ダンサーがトイレで大麻を吸い気分を高揚させ、それからステージで踊りまくることもあるそうだ。

 一方、日常生活の中でも、大麻を堂々と吸う若者が増えているとか。ある女子大生は「都内繁華街のエスニック料理店で、20代の男がたばこ箱の中から紙巻きの大麻を取り出して堂々と吸っていた。食べ物がよりおいしく感じられるらしいです。トロンとした表情になって不自然でした」と話す。また、未成年の“不良”が背伸びしてたばこを吸うような感覚で、さらには10~20代の若者が周囲に自慢するために大麻を使用するケースもあるようだ。