第2の“闇サイト殺人”だ。静岡県藤枝市の山中で浜松市の看護師内山茉由子さん(29)の遺体が見つかった事件で、県警は12日までに、この女性に対する逮捕監禁容疑で40代と20代の男を逮捕した。

 捜査関係者によると、2人はインターネットのサイトを通じ知り合ったという。40代の男は11日夜、名古屋市内の警察署に1人で出頭、浜松市内で面識のない女性を連れ去ったことを認めている。浜松東署捜査本部は2人が女性の遺棄にも関わったとみて調べている。

 捜査本部や捜査関係者によると、内山さんは5月26日夕、勤務先の浜松市内の病院から帰宅した後に訪れた同市内のフィットネスクラブの駐車場で、自分の車に乗ろうとした際、2人の男に押し込まれて車ごと連れ去られる様子が駐車場の防犯カメラに写っていた。別の防犯カメラにはもう1人の男の姿も写っており、捜査本部はこの男も拉致や遺棄に関与したとみて行方を追っている。

 内山さんはそのまま行方不明となった。内山さんの車は三重県桑名市で乗り捨てられているのが見つかった。

 県警はカーナビの履歴や、主要道路付近に設置された防犯カメラの映像記録などから、車の走行ルートを確認。6月9日午後6時ごろ、藤枝市の山林を捜索し土中から遺体を発見した。

 ネットを通じて互いの素性を知らない男同士が集まり、見ず知らずの女性を襲い、犯人の1人が死刑を免れたいために出頭…2007年に磯谷利恵さん(31=当時)が拉致、殺害された“名古屋の闇サイト殺人”と酷似している。犯罪事情通は「闇サイト殺人の公判で明かされたように、初対面同士はマウントを取る(優位に立つ)ために、ありもしない武勇伝を自慢したり、過激な行為をエスカレートし合ってしまう傾向がある。上下関係やポジションが確立されている友人関係と違い、止め役がいないのです」と指摘する。