12日午前8時半ごろ、東京・新宿区大久保3丁目の交差点で白い乗用車が暴走し、歩行者7人が重軽傷を負った事件で、警視庁新宿署は車を運転していた会社員の大野純一容疑者(52)を自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で現行犯逮捕した。

 同署によれば、車は横断歩道で歩行者をはね、歩道に乗り上げて停車。大野容疑者は「赤信号で止まろうと思ったら、アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話している。

 事故発生当時は通勤時間帯で、横断歩道にはたくさんの歩行者がいた。はねられた男性3人は腰の骨などを骨折し重傷、他に4人が軽傷を負った。

 目撃者は「運転手は多分パニックになっており、人をはねた後も、車は加速し続けていた」と証言。また「電柱と車の間に挟まれた人が『熱い、熱い』と言っていた。それを見た通行人が集まり、車を押してどかしていた」(同)と話す。

 警察庁のデータ(2015年)によると、ペダルの踏み間違いによる死亡事故は全国で58件。そのうち50件は65歳以上の高齢ドライバーだ。

 では、なぜ50代の運転手が、アクセルとブレーキを踏み間違えてしまったのだろうか?

 交通ジャーナリストの今井亮一氏(63)は「踏み間違いは統計上、お年寄りに多いが、ペダルは運転席の暗い足元にあるので、何かの拍子に間違えることがある。ブレーキだと思い込んだペダルを踏んでも車が止まらず、強く踏み込むので車が飛び出すのです」と説明する。

 誰でも間違える可能性はあるようだ。では、どうすればいいのか。

「対策としては、強く踏み込んでも、エンジンの回転数が急上昇しないようにする中小企業が作った装置を取り付けるのが一番です。その装置を標準仕様にすればいいのですが、車のメーカーは自動運転の開発に力を入れているのが現状です」と提言した。