ソラマメ詐欺男 詐取額数千円以上に重かった罪

2018年05月30日 17時45分

 千葉県警館山署は29日までに、詐欺の疑いで館山市の無職、黒川等容疑者(63)を逮捕した。「館山ブランド」を汚した罪は重かった。

 逮捕容疑は、ゴールデンウイークの4月30日午前11時ごろ、南房総市の野島埼灯台近くで、市原市の無職女性(64)に「ソラマメを作っているから4キロ2500円で買わないか。アワビもサービスで付けるよ」などと声をかけて、現金2500円をだまし取った疑い。容疑を認めている。

 女性は滞在する館山の別荘で待っていたが、いっこうに品物が届かない。教わった連絡先に電話をかけると、知らない男性が出た。黒川容疑者は偽のケータイ番号を伝えていたのだ。

 同署によると、観光客に声をかける誘い文句を変えて、犯行を繰り返していたようだ。3月30日、白浜のバス停で「お花を3000円」。4月2日、灯台で「イカを3000円」。事件と同じ日には、灯台近くにあるスーパーの駐車場でも「ソラマメ2500円。アワビ付き」と声をかけている。この日は初夏の味覚・ソラマメの気分だったのだろう。

 館山は都内からもアクセス可能で、房総半島で取れる伊勢エビなど豊かな海産物と、ドライブに最適な海の景色が人気の観光地だ。だからこそ、犯行に「アワビ、ソラマメ、花」などの特産品を使ったことが黒川容疑者の運の尽きだった。

「館山は観光でもっている土地。野島埼灯台でアワビや花など観光の目玉を使った詐欺は、風評被害を生む可能性がある。観光地の警察署として絶対に見逃せなかった」(館山署)

 被害金額も数千円と低額のため、日帰りや1泊旅行の観光客は「警察に行くまでもないか」と泣き寝入りをしていた。だが、館山に別荘を持っていた女性は時間にも余裕があり、警察に被害届を出してきたわけだ。黒川容疑者は生活保護を受給していながら「生活費が足りない」とケチな犯行に手を染めたが、見逃されることはなかった。