全国で表面化する「8050問題」とは

2018年05月24日 10時00分

「8050(ハチマルゴーマル)問題」が、全国で表面化している。同問題は、80代の親が引きこもりが長期化している無職の50代の子供と同居したまま社会から孤立し、生きがいを失うこと。この状態が続くと、居住空間の雰囲気が悪くなり、最後には心中や親子間での殺人に発展したりするケースがある。

 都内では、この問題が原因とみられる事件が発生。警視庁高井戸署は22日、父親の青木章達さん(87)の首などを刃物で複数回刺したとして、殺人未遂の疑いで息子で無職の一晴容疑者(55)を現行犯逮捕した。同署によると、一晴容疑者は自ら「父親をナイフで刺した」と119番。父親は搬送先の病院で死亡が確認され、同署は容疑を殺人に切り替えて捜査を進めている。

 北海道・札幌市では今年1月、引きこもりの女性(52)とその母親(82)が、飢餓と寒さにより、親子でアパートの一室で孤立死した姿で発見された。道警は母親が先に亡くなり、孤立した娘が誰にも気付かれずに衰弱死したとみている。

 8050問題については、先日もNHKニュースが50代の引きこもり男性を取り上げるなど、関心が広がっている。

 関係者によると「8050問題が世帯の中で長期化し、親子で高齢となる背景には、親が引きこもった子を『子供が引きこもるなんて恥ずかしい…』と世間に隠してきたことが原因の一つとみられる。そのうちに親が高齢になり、収入が途絶えてしまい、介護が必要になってしまうという最悪の状況になる」という。

 右肩上がりの経済成長期には親の家庭は子が引きこもっていても養う余裕があった。しかし、その後、バブル崩壊やリーマンショック後の就職難、非正規雇用の拡大などで、そんな余裕はなくなり深刻な事態に陥ってしまうようだ。