新潟市立小針小2年の大桃珠生さん(7)が近所に住む小林遼容疑者(23)に絞殺され、同市のJR越後線の線路に遺棄された事件で、遺族は16日、事件後初めて「大切な存在である娘を思いがけない出来事で失い、悲しみの中におります。この状況を受け止めることは難しく、犯人が捕まったとしても娘が戻ってくることはありません」などのコメントを出した。

 事件では小林容疑者が練炭自殺を計画していた疑いが出てきた。「(珠生さんの)連れ去りや遺棄に使った」と供述している車には、練炭と七輪があった。県警捜査本部が14日朝、同市内の道の駅の駐車場で同容疑者の身柄を確保し、任意同行を求めた際、車のトランクにあった段ボールの中に入っていた。

 捜査関係者は「去年、車で女子中学生を連れ回すなどした疑いで、県の青少年健全育成条例違反で4月に書類送検された」と明かす。小林容疑者の勤め先の社長によれば、同容疑者は事件前まで無断欠勤をしたことはなかったが、今回の事件を犯した7日に初めて会社を無断欠勤した。

 心配した社長が小林容疑者にメールを送ったところ「その中で(同疑者は)仕事ができないと打ち明けたんです」と話したという。今となっては額面通りには受け取れず、殺人を犯したことで、自殺願望を抱き、練炭を入手していた可能性がある。

 地元関係者は「今までひた隠しにしていた幼児への欲求がはじけ、条例違反を起こしてしまい、書類送検されたことでさらにスイッチが入り、人をあやめてしまった。それで自殺願望が出てきたのでは」とみている。

 新潟県警は16日から小林容疑者宅を家宅捜索。次々と押収品が運び出されたが、事件につながる証拠品のほか、趣味趣向が今後、明らかになりそうだ。