新潟女児殺害事件 線路放置の意図「証拠隠滅」と事故満足か あの迷宮入り事件との共通点

2018年05月11日 17時00分

 犯人はやはり小児性愛者なのか。新潟市西区のJR越後線の線路内で7日夜、絞殺されたとみられる同区の市立小針小2年の大桃珠生(たまき)さん(7)の遺体が見つかった事件は、現場周辺の状況が徐々に浮かび上がってきた。10日には新たに、珠生さんの口に押さえられた痕跡があったこと、また遺体発見現場から約50メートル離れた場所に白いワゴン車が止まっていた事実が判明。警視庁元刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は「犯人の頭に下山事件が浮かんだのでは」といまだ特定されない犯人像を分析した。

 捜査関係者によると、珠生さんの遺体発見現場は「人通りの少ない道路の突き当たり付近の線路だった」。捜査本部は犯人が夜間に人目につかない場所を遺棄現場に選んだとみている。

 遺体には首に絞められた痕の他、口にも押さえつけられたような形跡があった。犯人が珠生さんを通学路から連れ去った後、騒がれないように口をふさいだとみられる。

 事件当日、下校途中の珠生さんは踏切の手前で友達と別れ、線路沿いの道を自宅まで1人で歩いていた。近隣住民がその姿を目撃していることも判明した。その様子を見ていたであろう犯人は、自宅のすぐそばで珠生さんを別の場所へ連れ去り、首を絞めて殺害。その後、線路内に遺体を遺棄したとみられる。

 線路は単線で、上りと下りの列車が交互に行き交う。遺体は線路と平行になるようにして、2本のレールの間に横たわって発見されたこともわかっている。

 いまだ犯人が捕まっていない不安が続く中、近隣に住む小学生は「昨日黒い服を着た不審者が出たという話を聞いた」と話す。周辺住民はみな、珠生さんが事件当日の朝に追いかけ回された“サングラスをかけた黒い服のおじさん”に恐れを抱く日々を過ごしている。

 一方、事件当日の7日午後10時前、遺体遺棄現場から約50メートルほどの場所で、不審な白いワゴン車を周辺住民が目撃していたことも新たにわかった。目撃した男性によると「車は線路と反対方向の向きで、エンジンを掛けて止まっていた。ヘッドライトは消えていた」。この男性が様子を見に車に近づくと、ライトをつけてゆっくりその場を去った。遺体が見つかったのは午後10時半ごろ。捜査本部はこの車に乗っていたのが犯人の可能性もあるとみて徹底的に調べている。

 警視庁元刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は、犯人が珠生さんを連れ去った目的について「暴行めいたことをするとか、性愛絡みの感情があったのではないか。車へ連れ込む時などに悲鳴をあげたので、口を圧迫して押さえ込んだ。珠生さんを絞殺する直前までは、小児性愛者特有の性的な感情があったはずです」とみている。

 自らあやめた遺体を、隠さずに線路に置く残忍な犯行については、事故に見せかけるためだったとの見方もあるが、北芝氏は独自の見立てをする。

「犯人の頭の中には『下山事件』が浮かんだのかもしれません。電車でひき殺すという残虐な事件に見せかける考えが、犯人の頭の中に浮かんだのではないか」

 下山事件とは1949年7月、下山定則国鉄初代総裁が出勤途中にデパートに立ち寄った直後に行方不明となり、深夜に東京・足立区内の線路で汽車に轢断された遺体で発見された事件。ひかれる前にすでに死亡していたともいわれ、自殺か他殺かの論争を呼び、未解決のまま時効を迎えた。

 今回の犯人がこの下山事件を過去の未解決事件として知っていたとすれば、証拠隠滅の目的だけではなく、自己満足のためにあえて残忍な事件にして、そのうえ逃げ切れる自信があるのかもしれない。

 さらに前出の“謎の白いワゴン車”について、北芝氏はこうみる。

「遺体を早く自分の手元からなくしたかったからでしょう。車のトランクに女の子の遺体を乗せて運転している時に、仮に職務質問を受けたとすればすぐバレる。運んでいる最中に交通事故でも起こせばアウト。人を殺した後の犯人は、人目に対して過敏になるもの」

 こうした点から、北芝氏は犯人像について「老人でも少年でもない30歳前後の人物ではないか。小児性愛者で、性的な欲望はあっただろう」と分析した。下山事件は約70年前のことだが、ドラマや映画化されたり書籍も刊行されており、知る機会はある。

 残忍極まりない事件を起こした犯人の素性とはどんなものなのか。