【病院通いになる前に健康寿命をのばす! プレメディカルケア】

 延べ5万人の体の悩みを聞き、メンテナンスを行ってきた新進気鋭のスポーツトレーナー・永井正彦氏が、ケガや生活習慣病を未然に防ぐヒントを伝授。実際にあったお悩みへのアドバイスだ。

【お悩み】不眠症です。どうしたら眠れるようになりますか?(30代男性)

【アドバイス】なぜ、いつを明確にした上で、睡眠環境を見直してみてください。

【解説】不眠症は現代社会が抱える問題のひとつです。

 不眠には原因が何かしらあるはずで、その原因に応じた対処が必要となります。そのため男性には、いつ何がきっかけで不眠症になったのか。不眠症になった前後で何がどう変化したのか、一緒に記憶をさかのぼりながら検証していきました。要因が精神的なものなのか、環境的なものなのかをある程度明確にすることで、対処法が見えてくるからです。

 不眠症になった時期は、春の人事異動によって新事業に取り組むことになった2か月ほど前からでした。プロジェクトリーダーを初めて任されたことで不安と責任を感じていたようで、その不安から体がこわばり、常に緊張状態にあることがわかってきました。

 終電で帰ることも多く、日常の中でも体を弛緩させる時間がほとんどなかったので、すぐにできる対処法として、寝具と寝室という2つのポイントに絞った就寝環境の見直しを提案しました。

 自分に合っている寝具はどんなものなのか。敷き布団、かけ布団、枕の形状等、自分の好みを見直す時は、幼少期の環境に近づけることも解消法のひとつです。もしもぬいぐるみを抱いて寝ていたのであれば、抱き枕を使ってみるのも安心感につながります。

 不眠症であっても飛行機や電車等、乗り物に乗るとすぐに眠くなる方は多くいらっしゃいます。これは日常から切り離された移動空間に置かれたことにより「~しなければいけない」という気持ちから一時的に解放されることが要因のひとつです。このように、追い込まれることのないリラックスした空間に身を置くことは、精神の安定にもつながるので、寝室では携帯の電源を切ったり、お香を焚くなど、日常から遮断した世界にしてしまうのも効果が期待できます。

◆永井正彦(ながい・まさひこ)1980年6月28日、東京都生まれ。スポーツトレーナー。2005年に都内でスポーツ整体「プレメディカルケア」を開業。パラ水泳の宮崎哲選手や津川拓也選手のパーソナルトレーナーも務めている。