【石原結實 食の金言】「芝居 こんにゃく いも かぼちゃ」の枕詞に「女の好きなものは」が付く。


 歌舞伎や宝塚歌劇など、女性は概して芝居(演劇)好きである。
 こんにゃくは、里いもの仲間のこんにゃくいもから作られる。

 こんにゃくの最大の長所は「グルコマンナン」という食物繊維が多量に含まれており、腸の蠕動を促して、大便の排泄を促し、大便と共に腸内の余分な糖、脂肪、塩分、発ガン物質を体外に出してくれる点である。

 よって、糖尿病、高脂血症、動脈硬化、高血圧、大腸ガンなどの予防・改善に役立つ。

 もともと女性は便秘で悩む人が多い。よって、本能的にこんにゃくを好んで摂取する傾向があるのだろう。

 いもは、さつまいもを指すと思われるが、さつまいもには「セルロース」という食物繊維の他、「ヤラピン」(便通をよくする作用)、「アマイド」(腸内の善玉菌の増殖を助ける)などが含まれ、便秘を予防・改善してくれる他、人体を構成する60兆個の細胞の唯一の活動源である糖分(でんぷん、ショ糖、ブドウ糖、果糖)が多量に含まれている。

 働き者が多い日本女性が、その活動源(糖分)を大量に含む「いも」を好むのは当然かもしれない。

 かぼちゃは、βカロチン(ビタミンA)が多く含まれる。免疫力増強、美肌効果があるが、ビタミンEの含有量も野菜の中ではトップクラス。「E」は血行をよくして、冷え症を改善するので、女性には格好の野菜だ。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「コロナは恐くない 恐いのはあなたの『血の汚れ』だ」(青萠堂)。