【食の金言】「山椒は小粒でもぴりりと辛い」実は七味唐辛子の成分に

2021年11月14日 10時00分

【石原結實 食の金言】「小柄でも、勝気で、才気煥発な人物」を指して言うことが多い。

 山椒の実を口に含んだ瞬間に、強烈な「ピリリ」「しびれ」を感じることから来たものであろう。

 山椒はミカン科の3メートルくらいに成長する落葉小高木。5月に咲いた花が9月には真赤に結実する。若い葉は「木の芽」と呼ばれ、料理に利用される。実は粉末にして、七味唐辛子の成分になる。

 ウナギの蒲焼きに山椒の粉をふりかけるのは、昔から「山椒は魚の毒を消す」とされているからであろう。

 漢方薬の大建中湯は「山椒」と「朝鮮人参」「乾姜(乾燥させた生姜)」より成っており、「鼓腸(腸内にガスがたまり腸鳴を発する)」や「腹痛」に用いられてきた。近年、西洋医学でも、手術(特に胃腸)後の「腸閉塞」の予防に、頻用されている。

 日本有数の漢方医だった故藤平健医博は、毎年発行される「週刊朝日」の漢方特集コーナーで「やせ(体重減少)に悩んでいる人は、大建中湯を常用すべし」と訴えられていた。中(胃腸)の働きを大きく建て直し、消化・吸収を良くして、体重増加に役に立つ、というのである。

「山椒は小粒でもぴりりと辛い」と対極的な諺が「うどの大木」や「大きな大根辛くはなし」だ。体は大きいが、のろまで能がない人のことを言う。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「コロナは恐くない 恐いのはあなたの『血の汚れ』だ」(青萠堂)。

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