【石原結實 病気を吹き飛ばす食図鑑】中国東北部原産で、日本には農耕の始まった3世紀頃には既に伝わっていた。外観が縁起のいい赤色で、しかも豊富な栄養素が含まれている為、結婚式や誕生祝などの宴席には欠かせない食材となった。醤油の原料になる大豆は、英語で“soybean”、小豆はそのまま“adzuki bean”という。

 漢方医学では、生薬名を「赤小豆」といい、「脚気」(足のだるさ、全身倦怠感…)、心臓病、腎臓病、便秘に頻用される。含有成分の「サポニン」(ポリフェノールの一種)が強力な利尿作用を有すること、「ビタミンB1」が疲労回復に役立つこと、豊富な「食物繊維」が整腸作用を発揮するためである(蛇足であるが、サポニンの“サポ”は“シャボン”=石けんと同義語で、小豆をゆでた時に泡立つ成分である)。

 こうした有効成分は、皮の部分に多く含まれているため、赤飯にしたり、お汁粉にして食べる他、和菓子は皮をとり除いたこしあんより皮つきの粒あんが入っているものを食べられるとよい。

<民間療法>

 むくみ、二日酔に=水600ccを入れた鍋に小豆50グラムを加え、半量になるまでとろ火で煎じ、少し冷ましてから飲む。強力な利尿効果を発揮して奏効する。

 おでき、吹出物に=小豆をつぶして粉にし、水を加えて練り、直接又はガーゼにまぶして患部に貼る。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「コロナは恐くない 恐いのはあなたの『血の汚れ』だ」(青萠堂)。