【女医のお部屋】これからの季節は目の日焼けにも注意 田中敬子先生に聞く

2021年05月02日 10時00分

サングラスや帽子を上手に活用しよう(写真はイメージ)

【現役医師がぶっちゃけ 女医のお部屋】紫外線が厳しさを増す季節になってきた。予防せずに日焼けを続けると皮膚がんなども誘発しかねないため、注意が必要だ。日焼けによる肌トラブルについて、田中敬子皮膚科医に聞いた。

 ――紫外線ケアをせずに日を浴び続けるとどのような状態になりますか

 田中敬子医師(以下田中)予防せずに長年、紫外線を浴び続けると老人性色素斑、脂漏性角化症、日光角化症などが生じます。これらはいわば慢性の紫外線障害に伴って起こる皮膚障害となります。

 ――放置すると皮膚がんに進行するのでしょうか…

 田中 中でも高齢者に起こりやすいことから「老人性角化症」ともいわれる日光角化症に注意が必要です。ケアせずに日を浴び続けると顔面、手の甲などの日光がよく当たる部分に赤みを伴ったカサカサとした皮疹ができます。これが進行すると有棘(ゆうきょく)細胞がんになることがあります。

 ――皮膚がんについてもう少し詳しく教えてください

 田中 皮膚がんにはお伝えした有棘細胞がんのほかに、基底細胞がん、メラノーマ(悪性黒色腫)と呼ばれるものもあります。いずれも紫外線を浴び続けることも要因とされ、基底細胞がんは高齢者の顔にできることが多く、日本人の基底細胞がんは黒色調が多いです。メラノーマは日本人では四肢末端に好発する末端黒子型(まったんこくしがた)が多いです。

 ――悪性腫瘍と良性腫瘍はどのように見分ければいいのでしょう

 田中 よく「いいほくろ、悪いほくろ」などと腫瘍について色や形状を例にして、「これが皮膚がんであるかどうか」という判別の仕方を紹介する記事を見ることもあります。ただ、医師にしても見た目だけでは判別できないことも多く、ダーモスコピー(主に色素性病変を診断する医療器具)を使用したり、実際に皮膚を切り取って生検を行うことで診断します。そのため、身に覚えのないできものができた、色調が変化してきた、広がってきた、出血するようになった等の病変部があれば、早めに専門医の元に足を運んでいただきたいです。

 ――皮膚がんを予防するためにもやはり紫外線ケアは必要になる

 田中 紫外線予防についてはオーストラリアで実践されている「サンスマートプログラム」を参考にされると良いかもしれません。具体的には「日焼け止めを塗ること、帽子をかぶること、サングラスをかけること、長袖のシャツを着ること」が掲げられています。日差しが強いオーストラリアでは「ノーハット・ノープレイ」といって帽子をかぶらない子供が校庭で遊ぶことを禁じている学校があるなど、紫外線対策は徹底しています。また紫外線は角膜に炎症を起こしたり、白内障の誘因となったり、目にとっても良くありません。特に日差しが強くなるこれからの季節はサングラスをかけることでしっかり目を守っていただきたいです。

 ☆たなか・けいこ 福岡県出身。皮膚科専門医、美容皮膚科・レーザー指導専門医。都内総合病院の皮膚科で外来、手術、レーザー治療に従事。

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