【長生きのレシピ】「思うようにならない人生」を豊かにする3つのポイント

2021年04月04日 10時00分

適度な運動が心も元気に保ってくれる(写真はイメージ)

【緩和ケア医・大津秀一 長生きのレシピ】4月、新シーズンを迎えました。気持ちを新たにしている人、気持ちを引き締めている人、それぞれかと思います。緩和ケア医として、終末期の患者さんを長くみてきた立場から健康法のヒントを伝えてきたこの連載も今回が最終回です。

 2000人以上の終末期の患者さんをみとってきた感想は「人の人生は本当に思うようにならない」ということ。人生はさまざまな要素に翻弄されます。若いうちは「何でもできる」と自らを鼓舞できたところを、中年期以降は家庭を持ったり健康面でも不安な部分が出てきたりなど、「思うようにいかない」部分が目につくようになってきます。だからこそ限られた人生の時間を悔いなく過ごし、よき旅立ちを迎えるためにもしっかりした準備が必要です。それがまたこれからの人生を豊かにしてくれます。私が考えるポイントは次の3つです。

 ・健康は土台であることを意識して、食事、運動、睡眠に気を配ること

 ・人の4つの苦しみ(体のつらさ、気持ちのつらさ、社会的なつらさ、スピリチュアルペイン)を知り、日頃からそれぞれを減らす努力をした上で生活の質を上げる

 ・最悪に備えて最善を望む

 45歳を過ぎれば平均寿命の観点からは人生の後半戦です。人生の後半を第2期とするならば、今までとは少し視点を変えてみる、会社人生とは別の価値基準を築くことは生活の質の向上にもつながります。

 体と心は影響しあっています。健康や気持ちのマネジメントを今から始めれば、10年、20年、30年と寿命を延ばしてくれます。できるだけつらさや苦しさを遠ざける人生を歩むこと、人生を楽しむことが肝要です。そのためにも日頃から相談できる、良きかかりつけ医を見つけるのも重要です。特にこの1年はコロナ禍で自分自身の生き方を見つめ直した方も多かったのではないでしょうか。

 最後に、価値も多様化し、また情報も氾濫するこの社会において、より良く生きるために何が必要か。それは「自分の生活の質を上げるにはどうしたら良いかを考え」「その思いを様々な人と共有し」「そのために正しい医療・健康の知識や情報を手に入れること」です。それらは確実に皆さんの人生を良いものとしてくれるでしょう。

 ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

 ☆おおつ・しゅういち 茨城県出身。岐阜大学医学部卒業。内科専門研修後、ホスピス、在宅、ホームなど様々な医療機関で終末期医療を実践。東邦大学病院緩和ケアセンター長を経て、オンライン診療も行う早期緩和ケア大津秀一クリニックを設立。多くの終末期患者と向き合ったことで、予防医学にも力を入れる。著書に「1分でも長生きする健康術」(光文社)、「誰よりも早く準備する健康長生き法」(サンマーク出版)など多数。

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