【令和の健康新技術】デザインも機能も人に優しい吸引器

2021年04月04日 10時00分

【写真左】取り付けるディスポバッグにも機能が【同右】使用中の吸引器もディスポ仕様に変更できる

【注目! 令和の健康新技術】患者が口や鼻などからの分泌物を自分の力で十分出せない場合に、モーターなどで吸引して取り除く、人に優しい医療機器「吸引器」。ディスポ(使い捨て)機能で話題だが、その他の技術的特色と、誕生の経緯も紹介しよう。

 主に病院で使われる壁掛吸引器は本体側面の扉からディスポバッグを出し入れする。一方、電動式吸引器「ミニックS―Ⅱ」「W―Ⅱ」の方は、キャニスターがフタ式でディスポーザブルバッグを取り付け&取り外しする。壁掛式のように高い位置で取り扱うわけではないからだ。また、現在すでに使っている三幸製作所製の電動式吸引器も、ディスポバッグ専用ボトルへ交換して使用することが簡単にできる。

 電動式吸引器、壁掛吸引器に共通して使えるディスポバッグは色数が3色ある。もちろん好みで使ってもいいのだが、病院では症例別に色分けしたり病棟別に色分けして使える機能を持っている。比較的明るいデザインにしているのは、患者さんにポジティブなイメージを与える心理的効果がある。

 レバーやツマミなどにも技術的工夫が。例えば壁掛吸引器では、吸引圧の調整ツマミとは別にオンオフ切り替えのレバーを付けているが、感覚的、視覚的にも誤操作を防止するデザインとしているため、取り扱う看護師にも吸引を行う患者さんにも安心を与えることができる。

 同社は、吸引器のほか、酸素吸入器、麻酔用人工呼吸器などに実績を持つメーカーである。現社長・金坂良一氏は、製品輸送用緩衝剤メーカー「カネパッケージ」社長だったが、医療機器の輸送パッケージを主に手がけていた関係から、請われて経営を引き継いだ。

 金坂社長は、自身も肺炎で苦しんだとき人工呼吸器に助けられた経験があり、クオリティーの高い医療機器を届けたい思いが強いという。吸引器のディスポ仕様化も、技術的ネックだった資材をカネパッケージ社のルートを活用して海外調達することで今回発売に至った。

 記事で取り上げた製品の価格は電動式吸引器「ミニックS―Ⅱ」5万円、「W―Ⅱ」6万1000円、壁掛吸引器「DS―1000」3万8000円(いずれも税別)となっている。三幸製作所の吸引器は、吸引器やネブライザーの取り扱いに定評がある「新鋭工業」が発売元となってエンドユーザーである医療機関などに販売されている。一般の個人ユーザーは、医療機器販売店もしくはネット販売などで購入できる。

 あまり気付かれないが、最近では医療機器に限らずさまざまな技術製品が「人に優しいデザイン・機能」を採用するようになっているのだ。

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