地中海原産のアブラナ科の植物。
別名は「春の七草」の1つの「すずな」。
根には炭水化物の消化を促す「ジアスターゼ」や「アミラーゼ」を含むので、食べすぎによる胃腸の不調を整えるのに奏効する。
正月の飲みすぎ、食べすぎで疲れた胃腸を癒やす目的で、昔から正月7日には春の七草を使った「七草粥」を食べる習慣があるのだろう。
カブの根の部分は「淡色野菜」、葉の部分は「緑黄色野菜」に分類される。
カブの葉には、ビタミンA(カロチン)・B1・B2・Cなどのビタミン類が存分に含まれ、とくにビタミンCは、カブ100グラム中に75ミリグラムと、1日のビタミンCの必要量(100ミリグラム)の4分の3も含まれており、オレンジやトマトの約3倍にもなる。
ビタミンCは、白血球の働きを増強し、免疫力を上げ、抗酸化作用を発揮して、老化やありとあらゆる病気の予防・改善に役立つ。
カルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルも多量に含まれているが、カルシウムの含有量は特筆に値し、100グラム中230ミリグラムもの多さである。
よって、カブの葉は、おひたしや浅漬けにしたり、味噌汁の具にして毎日食べると、骨・歯を丈夫にする他、イライラや不安、不眠、自律神経失調症などの予防・改善に役立つ。
<民間療法>
①胃腸の不調や痛み…大さじ2~3杯の根のおろし汁を飲む。
②しもやけ、ひび、あかぎれ…根をすりおろしてガーゼに包み、患部に当てておく。
◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「水分の摂りすぎが病気をつくる 日本人が知らない『水毒』の恐怖!」(ビジネス社)。