ダニ1匹で人間が死ぬ?

2014年05月30日 08時00分

【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 現在、西日本での感染死亡例が報告されているSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という病気は、ダニの中に潜んでいる「フレボウイルス」がヒトに感染して起こる全身の炎症で、致死率は10%に達します。世界規模で見ると、致死率が30%という凶悪なダニ媒介の感染症もあり、それこそダニのひとかみで、人間が死んでしまうこともあるのです。

 ダニによる感染症の多くは他の野生動物と関係しています。ネズミの体内では何の毒性もないウイルスが、人間には致命的な毒性を持ち、そのリスクをダニが仲介するという図式です。SFTSは野生動物での分布が解明されていない部分もあり、今後もそうした未知のウイルスが出現する可能性はあります。

 有効な治療法やワクチンがないダニ感染症も多いのですが、幸い日本で感染報告されているツツガムシ病、日本紅斑熱、ライム病など、SFTS以外のダニ媒介感染症は病原体がウイルスではなく細菌なので抗生物質がよく効きます。

 いずれにせよ、ダニを体に付着させないことが最も重要です。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。