覚醒剤で怠け者が働き者になる?

2014年05月29日 08時00分

【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 医学的見地に立つと「人によっては働き者になれる」部分はあります。

 覚醒剤は正式名「メタンフェタミン」といい、投与すると脳内のドーパミン、ノルアドレナリンやセロトニンなどの活性が高まる“精神刺激薬”です。ドーパミン系の神経は記憶や情報処理の脳内回路を作るので、覚醒剤を使用することによって単純に“頭が良く”はなります。また、ノルアドレナリンやセロトニンの活性向上は、使用者のやる気を向上させ、ここ一番での“踏ん張り”が利くようになります。

 その半面、ドーパミンの活性向上は過度の快楽や幻覚症状を導きやすく、依存症や精神疾患症状、廃人化を導きます。さらにノルアドレナリンやセロトニンの過度な活性化は、暴力や反社会的行動を導くので、社会的に問題視されるのです。

 実害が多いからこそ取り締まられている覚醒剤ですが、実際にはそこまでの害がない状態で有益に使っている人もいるのかもしれません。もちろん、使って何が起きるのかは予測できないので、覚醒剤を使用するのは絶対にダメです。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。