漫画「美味しんぼ」の“鼻血騒動”。被ばくの初期症状は鼻血?

2014年05月28日 08時00分

【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 放射線を浴びた際、最も障害を受けやすいのは「細胞増殖が早い臓器」。これは細胞分裂をする、まさに“その時”が最も放射線の被害を受けやすいためです。細胞分裂が最も活発な場所は、胃や腸などの消化器の粘膜なので、被ばくで先行する症状は、下痢などの消化器症状となります。

 口や鼻の粘膜も細胞増殖が盛んですから、出血することは可能性としては考えられます。その場合、タラーッと垂れるような鼻血ではなく、ただれた粘膜からジワジワ、薄い血液が染み出すような感じになるはずです。

 漫画で描かれているようなタラーッとした鼻血は、鼻粘膜の奥にある毛細血管が破れた場合か、止血を担う血小板の出元である「巨核球」という細胞が障害された場合に起こります。そのため、福島県のような低量の放射線ではこれらの細胞だけ先に障害されることはないはずなのです。

 ただし、蓄膿症の人などでは、鼻粘膜が弱く毛細血管が豊富に増殖しているので、被ばくによって出血+排膿が一気に起こる可能性はあります。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。