【令和の健康新技術】クラゲ由来コラーゲンの人気が急上昇中 人獣共通感染症のリスクなし

2021年01月11日 10時00分

【写真上】癒やしイメージのクラゲは医療の世界でも人気者に【同下】クラゲ由来の基礎化粧品
【写真上】癒やしイメージのクラゲは医療の世界でも人気者に【同下】クラゲ由来の基礎化粧品

【注目! 令和の健康新技術】医薬品や化粧品、サプリ用途に意外な素材が脚光を浴びている。それは「クラゲ」だ。これまで中華料理などの食用以外では生活に身近とは言えなかったクラゲが注目の的になるとは、どういうことなのか。

 クラゲの人気が急上昇中だ。水族館でもクラゲが人気を集めているし、飼育用生物としてペットにしたり、インテリアグッズとしてクラゲが泳ぐイルミネーションライトを楽しむ人も増えた。ゆったりした動きにリラックス効果があり、癒やしのイメージがある。

 ところで、水族館でよく見かけるミズクラゲの体は99%以上が水分である。だが、わずか0・1%ほどコラーゲンを含んでいる。コラーゲンは、皮膚や骨、軟骨を構成するタンパク質の一種だが、一般に医療用途から化粧品、食品などに幅広く活用される。このクラゲからコラーゲンを抽出する技術を開発した会社が登場している。それが株式会社海月研究所(横浜市鶴見区)である。

 クラゲ由来コラーゲンは皮膚の保湿や傷の治癒に効果が見られる。化粧品用の原料コラーゲン液や、関節系サプリメントの素材などに使われる食品用クラゲコラーゲンも販売しているほか、医療用として細胞増殖活性化剤、細胞培養用コラーゲン液を製品化している。

 原料として販売するだけでなく、自社でもせっけんや基礎化粧品を製造販売しており、せっけんはクラゲ由来コラーゲンを大量に含んで保水性が高く、しっとりとした洗い心地であり、基礎化粧品は生コラーゲンだからこそのみずみずしさが感じられるとして人気だという。クラゲ由来コラーゲンの保湿性や治癒力といった機能性に加え、クラゲの「プルプル」イメージや「潤い」イメージも好印象につながっている。

 せっけんや基礎化粧品は楽天市場経由の同社サイトで販売している。ちなみにせっけん「海乃月」の価格は3300円(税込み)である。

 このほか、クラゲからムチンも抽出している。ムチンは粘膜を保護して疾病を予防する多糖類の一種だ。クラゲ由来ムチンは関節治療薬やドライアイ向けの点眼剤、ドライマウス向けの粘膜保護剤用として活用の可能性がある。

 コラーゲンやムチンは、これまで牛などの動物からつくられていた。だがクラゲ由来のコラーゲンやムチンは、クラゲと人間の種が違うことから人獣共通感染症のリスクがない。そんな原料がクラゲから抽出できるとして注目を集めているのだ。

 では海月研究所はなぜクラゲを加工することを発案したのか。次回、その背景を解説する。

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