【石原結實 病気を吹き飛ばす食図鑑】西インド諸島原産。本名は“pomelo”であるが、実が枝先に固まって付き、「まるでブドウのように房になって実るフルーツ」という意味から「grape(ブドウ)fruit(果物)」と言われる。

 日本では、湿気と低温のため栽培には適さずほとんど生産されていないので、アメリカや南アフリカなどから輸入されている。

 グレープフルーツ1個(約300グラム)中にビタミンCは約120ミリグラムも含まれており、1日の摂取量(100ミリグラム)を優にカバーする。

 15世紀までのヨーロッパ人や長航海に出る船員達の間に蔓延したのは感染症(肺炎や敗血症…)や出血を伴う「壊血病」。「壊血病」は、言わずもがなビタミンC不足病である。ビタミンCは、免疫力の主役の白血球の働きを強化して感染症を防ぎ、血管壁を丈夫にする。

 よって、グレープフルーツの常食は、風邪、気管支炎、肺炎…などの感染症を防ぎ、脳血管疾患や心臓病の予防になる。

 また酸味の元であるクエン酸も多く含まれ、アペタイザー(食欲増進)としての作用も強力だ。

 グレープフルーツには、ホワイト(白肉種)とルビー(赤肉種)があり、ルビーの方が体内の活性酸素を除去する抗酸化力が強いので、「老化」「動脈硬化」「ガン」…等々を防ぐ力は、より大きい。

<民間療法>
 ①二日酔、タバコの吸いすぎ…生ジュースをコップ1~2杯飲む。ビタミンCが肝機能を強化、ニコチンを解毒する

 ②風邪…生ジュースコップ半分にハチミツを加え、お湯を注いで一杯にして飲む

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「『空腹』の時間が病気を治す」(青萠堂)。