東京の玄関口にあった「ドリンク剤専門バー」

2014年04月15日 08時00分

【なつかしの健康法列伝:ドリンク剤専門バー】

 1988年、JR東京駅八重洲口の百貨店に一風変わったバーがオープンした。白一色に統一されたおしゃれな店内には、当時大流行した“カフェバー”風カウンターが。しかし、出されるのはカクテルではない。

 奥の棚には栄養剤、眠気覚ましから胃腸薬、風邪薬まで144種類ものドリンク剤がズラリ。価格も100~3000円までバラエティーに富んでいた。

 選ぶのが大変そうだが、女性店員がお客の調子を“問診”してふさわしいドリンクを選んでくれる仕組みで、こちらもまさにバーテン風だった。

 開店の背景にはバブル景気がある。サラリーマンもOLも残業続きでみんなお疲れ。また、若山富三郎のCMで「アルギンZ」が大ヒットし、ドリンク剤の認知度が上がったのも大きかった。

 実際、オープン初日には900本を売り上げ、客層は「男性・女性半々」だったという。

 しかし、バブル崩壊とともにドリンク剤市場は急降下。同店の売れ行きにも影を落とす。

 94年にはドリンク剤が再販指定商品から外れ、スーパーなどでも扱えるように。このころは“おしゃれさ”より“価格競争”のほうが歓迎された時代。同店が姿を消すのにも時間はかからなかった。