【ケンコー豆知識】日本は遺伝子検査後進国なのです!

2020年12月20日 10時00分

遺伝子を保持するのはDNA

【今さら聞けない 意外と知らない!? ケンコー豆知識】コロナ禍で注目されたのがPCR検査だ。しかし、この検査が遺伝子検査の一種だということを知らない人もいるのではないか。そもそも遺伝子検査自体が、諸外国に比べ日本ではあまりポピュラーではない。ようやく最近、日本でも種々の検査サービスが登場しているが、どんなものなのかを知る人も少ないのだ。遺伝子検査では何がわかり、何がわからないのか。専門家に尋ねた。 

 今年の流行語と言ってもおかしくないPCR検査とは「ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(ポリメラーゼ連鎖反応)」の略。ウイルス遺伝子を切り取って増幅させ、ウイルス感染の有無を判定するものだ。新型コロナウイルス検出に使われたが、そのための検査というわけではなく、ウイルスや細菌を検出するために行われる遺伝子検査の手法である。つまり、検査対象はウイルスの遺伝子だ。

 一方、一般に「遺伝子検査」という時の検査対象は人間の遺伝子。遺伝によって病気になるリスクが親から子に伝わったり、スポーツの能力が遺伝したりする。唾液や血液を採取して、そうした形質の原因遺伝子を検査し、病気予防や適性判断などに活用するのだ。

 ところが、欧米や中国、韓国など日本以外の多くの国では遺伝情報を解析する技術が学術研究機関や製薬・バイオ企業で早くから使われていたが、日本では外国に比べ医療分野での遺伝子解析技術の活用に消極的だった。

 医学博士で遺伝子学を専門とする中原英臣・西武学園医学技術専門学校東京校校長は「日本は多くの国で行われている遺伝子検査が浸透していなくて検査技術者も少ない。日本は遺伝子検査後進国なのです」と話す。

 我が国は医療に関して進んでいると思っている人には意外かもしれないが、遺伝情報の解析が進展しなかった理由の一つに、遺伝情報悪用の問題がある。

 例えば、ある病気の原因遺伝子がわかっていれば、その人の遺伝子を解析することによって特定の病気の発症リスクが把握できる一方で、特定の病気になるリスクが高いという意味にもなる。そうなると、保険会社は保険料を高く取ろうとするかもしれないし、結婚情報サービスで遺伝情報をオープンにするかも知れない。差別を生みかねないのだ。

 とはいえ、時代は変わりつつある。次週、もっと詳しく見ていこう。

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