酒の強さは遺伝する?

2014年04月10日 08時00分

【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 職場や同好の士との集まりなどで、何かと飲酒の機会が増える時期にふさわしい(?)質問ですね。「古くからの言い伝え」だと思われがちですが、実は医学的な見地からも父親と母親、それぞれの性質が遺伝することが証明されています。

 酒に含まれるアルコールは、肝臓で「アセトアルデヒド」という毒性物質に変化し、次に無害な「酢酸(=お酢)」に分解されます。そしてこの分解には複数の酵素と遺伝子が関与しています。

 アルコールをアルデヒドに分解する酵素はADHと名付けられ、そのADHは3タイプあることが知られています。なかでも「ADH2」という酵素は遺伝の影響が大きく、この活性が弱いとアルコールの分解が遅くなるため、“少しの酒で長く酔える家系”となります。

 アルデヒドを酢酸に分解するALDHにも遺伝が関与し、アルデヒドの分解能力が弱い「ALDH1」と、分解能力が高い「ALDH2」のどちらかの遺伝子が両親から遺伝します。両親とも酒が強い場合は「ALDH2」を引き継ぐ可能性が高くなり、当然ながら子供も酒が強くなります。

 遺伝子の組み合わせによって“一口飲んだら気分が悪くなる人”、“酔いがさめず二日酔いもない人”、“すぐに酔ってしまい二日酔いもひどい人”などが出てきますので、完全に親と同じ強さとはなりません。

☆よしだ・しんー内科・外科をともに扱う総合診療科医を経て、現在は精神科医。1972年1月10日生まれ。東京医科大学を卒業後、都立松沢病院で研修。その後は非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。