俺の髪、大丈夫か!? 新生活がスタートする今の時期だからこそ、余計に気になってしまうのが薄毛。日本では1260万人もの人がAGA(男性型脱毛症)で悩んでいるともいわれるが、“ちょっとした勘違い”も少なくないようで…。

 まず、薄毛になりやすい習慣としてよく挙げられるものをチェックしてみよう。

・脂っぽいものが好き
・海藻類をほとんど食べない
・テレビやゲーム、ネットなどで夜遅くまで起きている
・酒やタバコが大好きだ
・イライラすることや不安、悩みが多い
・過激なダイエットをしている
・1週間の総運動時間が1時間未満
・シャンプーをするときに表面しか洗わない

 働き盛りのサラリーマンにとっては避けられないものもあるが、当てはまる項目が複数ある人も多いのでは? やはり、これらの習慣を続けていると、髪はどんどん薄くなってしまうのだろうか…。

「どれも髪にいい習慣とは言えませんが、当てはまるからといって必ずしも薄毛になってしまうとは限りません。AGAの原因にはいろいろなものが複合的に関係してきますので、『これが悪い』といった決め付けは良くないのです」

 こう話すのは頭髪治療を専門に行う城西クリニック(東京・新宿)の小林一広院長。悪い習慣を避けるあまり、間違った方向に進んでしまう人もいるという。

「頭皮の汚れをしっかり落とそうとするあまり、強く洗いすぎて表面を傷つけてしまったり、飲酒や夜更かしを極端に制限することでストレスをためてしまう場合もあるのです」

 AGAの主な要因は男性ホルモンや遺伝だといわれているが、小林院長によるとストレスや生活環境も関係してくるのだという。

「今はネットなどでいろいろな情報を得やすい時代ですが、それがすべて正しいとは限りませんし、何より自分に合っているかが大事だと思います。例えば、『発毛の効果を上げるには何時間寝ればいいのですか?』と聞かれることもあるのですが、患者さんがどのぐらい寝れば翌日、気持ち良く生活できるかを考えればおのずと答えが出ますよね」

 つまり、やるべきことは人によって変わる。だからこそ、城西クリニックでは薬を処方するだけでなく、カウンセリングも重視。勘違いを正すようにしている。

 また、以上のような「決め付けない」「やりすぎない」に加え、「気にしすぎない」のも大切だという。

40代男性によるAGA治療の過程、左から初診、5か月後、11か月後
40代男性によるAGA治療の過程、左から初診、5か月後、11か月後

 他人に「最近、キテない?」と頭を指さされたり、枕に抜け毛がついていたことを気にするあまり、ストレスをためこんでしまう人は多い。また、新たな職場や部署への異動も多い4月、みんなの目が自分の頭に向いているような錯覚に陥る人もいるはず。城西クリニックでも「来院したものの、本人が思っているより薄毛が進んでいなかった」ということがある。

「よく抜け毛といいますが、髪は1日平均100本程度は抜けるのですから、枕に10本ぐらいついていても大騒ぎする必要はないんです。薄毛の診断基準があるわけでもないですし、むしろ、気にしすぎることで、心の健康を害してしまう可能性がある。人の目だってそうです。皆さんが心配するほど、周りは皆さんのことなんて見ていませんよ」

 それでも不安だったり、遺伝的に将来が心配なら、専門医に相談すればいい。髪というのは不思議なもので、改善されることでその人の性格まで変えてしまうこともある。

「髪が増えることで自信がつき、明るく前向きになる方は非常に多いですよ」

 飲み屋に入ったらまず上を見てライトの位置を気にする、新幹線の席は常に進行方向最後尾を選ぶ…。そんな不安から解放されるのだから、精神的にはかなり楽になるし、AGAを治療することで、合コンや婚活に積極的に通うようになった男性もいる。また、薄毛に悩む患者は30代が中心だが、最近は60歳以上の方も増えており、いろいろな意味で「もう一花!」という男性も少なくないという。

「目指すのは心身ともに健康であること。木を見て森を見ずじゃないですが、髪のことばかり考えて健康を害してしまったら元も子もありませんから」

 逆に言えば、髪をきっかけに心身の健康を手に入れることもできる。髪と上手に付き合い、忙しい新年度を乗り切ろう。

【医療法人社団 城西クリニック】AGA治療のパイオニアとして、発毛治療から予防医学的な育毛、メンタルヘルスケアで、髪の悩みを抱えている人に、総合的な頭髪治療を提供。月間約6000人が来院する。小林院長は精神科医でもあり、講演やメディア出演多数。HP=www.josaiclinic.com