【なんてったってリハビリ!】遊びを取り入れてリラックス

2020年12月13日 10時00分

いろいろなゲームがあるのです

【なんてったってリハビリ! もしもに備える!基礎知識と最新事情】どうやったら楽しくリハビリに取り組んでもらえるか――臨床心理士の皆さんは様々な工夫を凝らします。医療ライター・熊本美加氏が自らの担当者を取材しました。

 私がお世話になった「東京都リハビリテーション病院」は心理療法が充実。病気やけがで脳にダメージを受けた40代、50代の患者さんへの就労支援が手厚いのが特徴です。仕事復帰を目指すリハビリが組み込まれるので、「高次脳機能障害」という診断を受けた私にオススメされた病院だったのです。

「リハビリはご本人が気持ちいいと感じることが効果につながりやすいです。理由も分からず嫌なことを無理やりやらされると不快な体験ばかり積み重なってしまいます。少しでも楽しかったという体験を重ねられるよう心がけています」と私を担当してくれた臨床心理士の山本真裕美さん。遊び感覚で、自分の障害を理解して、脳のトレーニングやどう対応していくべきかを身に付けていけるように、さまざまな工夫をしています。

「遊びを取り入れたリハビリは気持ちもリラックスしやすく、患者さんも興味をひかれて取り組みやすいんです。例えば、記憶力や注意力が落ちている方に、メモを取りましょうと言っても難しいことがあります。簡単なゲームをしながら『メモを取ると勝てるかも』と促し、私も一緒にメモを取ることで抵抗感をなくしていきます。ルールを理解しようという意識も脳の活性化につながります」(山本さん)

 使えるものはなんでもリハビリに使うという山本さんに、心理療法で実際に使っているオススメのゲームを3つ紹介してもらいました。

 ①めくったカードの数を足していき、101を超えたら負け。②4種類のコマを形、色、穴の有無、高さのいずれかで揃え、直線状に並べれば勝ちというシンプルなゲーム。相手が選んだコマを置かなければいけないので結構難しい。③相手側の見えている数字から見えない自分の手札の数字を当てる戦略型推理ゲーム。どの数字が残っているか覚えていないといけないのでメモがあると便利。

 どれも通販でリーズナブルに手に入るものです。

「症状が重い人ほど自分の状態を理解する『病識』が持てないことが多く、本人に言ったところで、『前からこうだった』との認識になったり、リハビリスタッフとの関係が悪くなってしまうこともあります。ゲームで遊びながら体験することで、記憶力が落ちていることに自分で無理なく気が付いていけます。なにより、息抜きになります」(山本さん)

 ステイホームの時期、脳トレにも活用してみてはいかがでしょう?

 ☆くまもと・みか 医療ライター。昨年、電車内にて心肺停止で倒れ救急搬送。幸運にも蘇生したが、低酸素脳症による高次脳機能障害でリハビリを経験。社会復帰後、あまり知られていない中途障害者のことやリハビリの重要性を発信中。

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