【令和の健康新技術】「温泉療法」って何? レジャーの温泉利用との違いは

2020年11月29日 10時00分

ヨーロッパでは、はるか昔から温泉利用技術が進んでいた

【注目! 令和の健康新技術】“温泉大国”の日本だが、医療や介護での「温泉療法」の存在はよく知られているとは言えない。レジャーとしての温泉利用と温泉療法はどう違うかを見ていこう。

「クアハウス」というと、いわゆる日帰り温泉施設を思い浮かべるだろうか。だがヨーロッパでは長期滞在して健康回復するための施設が「クアハウス」とか「クアオルト」などと呼ばれる。ドイツ、フランスをはじめ各地に数多く存在しており、これらは温泉を医療に活用する施設である。ドクターや指導員が健康回復のプログラムを指導してくれ、湯につかるだけでなく、湯気を吸引したり、飲んだり、温熱を利用しながら運動したりする。

 日本人は温泉好き、といわれる。体がポカポカと温まる温熱作用により血行が良くなり、新陳代謝を促進して老廃物が排出される。温泉成分には疲労回復やストレス解消などの効能もある。浮力や静水圧などによる物理的効用もあり、足腰は日頃の負担から解放され、静水圧による天然のマッサージ効果が足の疲れやむくみを取り除く。

 また温泉は景観に優れた場所にあって湯船から絶景が眺められたりする。副交感神経が刺激されリラックスできる。周辺が散策できる温泉地では自然に運動できたり、その土地の人や文化と触れ合う効果もある。温泉地に長く滞在する人ほどホルモン値が正常化することも判明している。

 日本でも昔から温泉に滞在する形の療養「湯治(とうじ)」が行われてきた。しかし湯治は3週間ぐらい滞在するのが普通だが、いまやそんな長期滞在の温泉利用は少数派だ。たいていは温泉旅館に1泊するか、日帰り温泉施設にちょっと滞在するだけ。これでは温泉効果も、ごく一部にとどまってしまう。

 ところが、温泉を上手に活用する技術はヨーロッパの方が進んでいる。古代ローマ時代から入浴を普段の生活の一部として楽しむ文化があり、少ない温泉資源を上手に医療にまで活用する技術を蓄積してきた。それが温泉療法(バルネオセラピー)である。

 では、日本で温泉療法は受けられないのだろうか。実は可能なのだ。日帰り温泉施設とは異なり、継続利用が前提の施設が日本にも存在し、ヨーロッパ水準の自然療法技術で、高齢化社会の日本における疾病予防、疾病改善、介護予防を推進しようとしている。

 次回は温泉療法の現場の様子を解説する。

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