【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 特に200人前後を収容する小規模刑務所の多くはそれに近いですね。

 受刑者も病気になったりケガを負ったりするので、刑務所にも医者が常駐し、ケアをするべきです。しかし、多くの刑務所は辺ぴな場所に立地しているうえに、受刑者の診察という不安な要素もあり、刑務所に常勤する医師は多くありません。国家公務員という職業的な枠付けも、医師の勤労意欲をそいでいます。

“無医村”状態の刑務所は、近所の開業医にかけ合って週1~2回の往診を依頼します。重病や特殊な疾患の受刑者は車に乗って大病院に行き、診療を受けます。

 一般病院に連れて行かれた受刑者は、手を縄でくくられ、刑務官に連行されて診療を受けます。入院が必要な場合、受刑者は個室ベッドで寝泊まりし、非番の刑務官が交代で張り込みをします。体調の良くなった受刑者が脱走を試みるかもしれないからです。刑務官は日々、こうした対応に追われているのです。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。