60代の4人に1人が満足にかめない 「オーラルケアの新課題」とは

2020年11月09日 11時00分

歯は大事ですが、ヤスリはやり過ぎです(写真はフレッド・ブラッシー)

 11月8日は「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせで、いい歯の日だった。オーラルケアの新課題は“歯を残す”から“かめる歯を残す”へ! 50~60代に“満足にかめない”層が顕在化しているという。

 かむ力などの口腔機能は、生活の質や健康寿命に大きく関わっている。厚生労働省は「歯科口腔保健の推進に関する法律(2011年)」に基づき、「60代の咀嚼(かむ力)良好者の割合を22年度までに80%に増加させる」と目標に掲げた。

 しかし、17年の調査によると、何でもかんで食べることができる人が60代では76・2%と目標値に到達していない。60代の約4人に1人、50代では約7人に1人が十分にかめない状態だ。

 何でもかんで食べるには、ある程度の硬さや食物繊維が豊富な食材を日常的に食べる生活が大切だが、そうした食材の代表ともいえる米と野菜の消費量は年々下がっている。別の調査では50代の5割以上が“あまりかまずに食べる、早食いだ”と回答。こうした傾向は現在の50~60代が生まれ育った時代にファストフードに代表されるような、あまりかまずに食べられる軟らかい食べ物が一般化したことなどとも関係しているとされる。

 かむ力を支えるのは「歯の土台」だ。歯の土台は歯ぐきとその奥にある骨(歯槽骨)などの歯周組織で構成されている。健康な歯の土台は歯をしっかりと支え、歯がグラついたり抜け落ちたりすることなく、食べ物をかむことができる。

 宝田歯科の宝田恭子院長は「歯と歯の土台の関係は、家とその土台となる基礎構造のようなもの。家を建てても土台となる基礎がしっかりしていなければ、不安定で沈下や傾きが起こります。口の中も同じで、歯も土台が丈夫でなければ安定しません。歯を大切にしようという意識は根付いてきましたが、歯の土台への意識はまだ欠如しているように思います。歯の健康を保つためにも、歯の土台の重要性に気づいて、ケアしてほしいですね」と指摘している。

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