偏平足急増で見直された「下駄履き」

2012年07月25日 12時00分

【なつかしの健康法列伝:下駄履き健康法】

 日本人の偏平足急増が問題視され始めた1970年代後半、〝下駄見直し論〟が巻き起こった。

 靴を履きっぱなしだと、足の裏の筋肉が弱くなり、偏平足になりやすいとされたことから、この〝見直し論〟が浮上。そのうち「鼻緒を親指と人さし指で締めるため足の血行を良くし、内臓にも効果あり」と「下駄履き=健康」かのように話が変わっていった。

 さらに「腰や背中の痛みが消えた」「関節リウマチが半年で治った」「肝臓をはじめ内臓機能を強化する」という声まで上がり、実際に下駄の生産量が上昇したのである。

 そのうち、「下駄を履くことで、土踏まずの先にあるツボを刺激し、内臓、脳へと伸びている血液の流れがスムーズになる」との説まで登場し、おまけに「下駄の減り具合によって健康状態が分かる。内か外かに片減りする人は内臓のどこかに必ず欠陥がある」と〝健康診断〟にまで効果ありとされた。

 しかし当時も「靴より下駄の方が足の血液の循環にはいいだろうが、かといって内臓にいいかは疑問」「足裏から健康を考えるなら、下駄より素足の方が効果は数段上」など、異論を唱える専門家もいた。

 最近でも5本指ソックスが流行するなど、履物と健康の関係は注目されている。一番の問題は、背広に下駄では仕事をさせてもらえないことか…。