【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 先日、地方の役所を見学しました。そこは庁舎の同じフロアに保健センターや高齢課、母子保健、生活保護などの部署が密に配置され、地域で問題が起きた時は即、全体ミーティングが開かれるような構造になっていました。一方、東京はそこまで保健福祉の連携はうまくいっていません。


 東京、特に23区内では保健センターと役所は別個に運営されています。そのため、保健所と役所の連携、地域の高齢福祉を担当する「包括支援センター」と役所の連携などは、迅速には機能しません。これは地域で起きた問題が各部署間で“たらい回し”にされる可能性を示唆しています。23区外でも、保健福祉のバランスが良くない地域もあるようです。


 東京は人口が多く、保健福祉スタッフの絶対数が足りないのが現状です。しかし、もう少し横のつながりを密にすることは可能だと思います。新都知事には、そのテコ入れを期待したいですね。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。